空き家所有者アンケートからビジネスアイデアを考える

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ハイアス・アンド・カンパニー『不動産相続の相談窓口』本部が調査した空き家に関する問題意識アンケート結果が公表されていました。そのアンケート結果から何かビジネスの種はないか考えてみました。

空き家の問題意識アンケート

ハイアス・アンド・カンパニー株式会社が行った首都圏4箇所の空き家対策セミナーで取ったアンケート結果が公開されていました。

空き家対策セミナー参加者への「空き家に関する問題意識アンケート」

今回このアンケート結果から、何か空き家のビジネスアイデアは考えられないかということでいくつか考えてみました。

空き家ビジネスの種

1)自宅から空き家が遠い+県外 → 空き家管理ビジネス

2箇所のアンケートで約30%、約16%と課題感があるのが「空き家が自宅から遠い」ことです。県内と県外の割合は4:6となっていますが、県外だから遠いとか、県内でも遠いという関連性はこの結果からは分からないです。

ただ、県内であろうが県外であろうが問題であると感じていることは事実でしょう。県内でもアクセスが30分以上かかるとか、色々な切り口が作れそうです。県外ならなおさらですね。

その場合には、シンプルに空き家管理サービスの提案ができそうです。単純に公共交通機関で往復料金+かかる時間と自主空き家管理での時間と疲れなどを算出します。それと当該空き家管理サービスと比較すればいいということです。

空き家管理会社ならこのような見せ方をするはずです。不動産仲介、売買などで空き家所有者にアドバイスをするという意味で顧客への付加価値をつけるならば、そのような対応表を見せたり、独自に作ることで価値が上がるでしょう。

また、空き家管理の実績や公的な評価、または空き家管理以外の仲介や売買の関連事業をアピールして専門性を見せるのもありかもしれません。

既存の会社のサービスを紹介するのも手ではないでしょうか。例えば、空家・空地管理センターが行っている100円管理サービスがあります。試しに行うというので面白いサービスかなと思います。初期費用3,800円がいることと、年間契約であること、最低限の目視+報告書であることから「管理の体験」程度という認識が適切でしょう。これにオプションをつけたり、しっかり管理サービスへ移行するなどが考えられます。

空き家管理サービスをやる場合(新規立ち上げ、既存サービスでも)は、こういった会社のパートナーとなることで営業メリットが増えると考えられます。

エリアは管理サービスと、活用相談で分かれるようで、愛知県エリアを調べると、活用相談が一部。管理サービスは名古屋市昭和区・緑区に限られていました。これは提携パートナーがまだそこにしかいないためだと考えられます。

これらは一方で名古屋、東海地域の空き家管理事業者にはチャンスかもしれません。

空き家所有者が、空き家管理自体をサービスをしっていても、何かネックになっているのかを知る必要もあります。それが費用なのか、申し込む手間なのか、管理サービス自体を知らないのか、それとも他の課題があるのか?という形で業務をしながら磨いていくと良さそうですね。

2)共有物件は協議必須 → 共有者での話し合いや外部サポートでのコンサル

共有物件が2割ということでほとんどは単独所有のものの、確実にその2割から揉め事の8割になるかもしれません。

兄弟や家族など身内だとお金の話をしづらいとか、実家を売るなどはしづらかったりするので、プロが適切にアドバイスをするなどが考えられます。

客観的にアドバイスが受けられる(利益関係者ではないからこそ)、また豊富な経験があれば共有者でのトラブル事例や今までの知見から最適なアドバイスがあるでしょう。またそういう第三者を通して、整理するのが実は最も効率的であるということもあります。

もちろん自分たちのことは自分たちでやる。素晴らしいことですが、それが常に最善とは限りません。

事業者視点では、具体的には相続トラブル事例をまとめたり、セミナーや勉強会での集客を通してお客さんと接触していくことで、コンサルにつなげていきます。いきなりコンサルは難しいですが、セミナー開催数や実績を増やすことで信頼が構築されるので、自社の得意な点を明確にしていくと良さそうです。

例えば共有物件トラブル専門のコンサルタントなどです。これらの定義付けやポジション構築はやってみないと分からないところですね。

3)参加理由が将来的な備え → 予防策+戦略提示をする

参加者が今空き家を所有している人はもちろん、これからどうなるか、空き家予備軍という人も関心が高く勉強していることが伺えます。

そういった意識が高い所有者(または予備軍)が勉強すると、選択肢を見つけ、どうしていくかを考える必要があります。知識やノウハウだけを提供することは難しいでしょうから、そういった参加者をサポートするのはニーズが高いと言えます。

2に似ていますが、ここでは意識が高い予備軍向けにサービスを考えると良さそうです。例えばステップアップで学べる教材の開発であるとか、それもオンライン動画配信サービスというと少し若い人達が学ぶかもしれません。不動産投資を重ねてもいいですが、投資と管理は局面が異なるでしょうからここでは触れません。

また実際に予備軍の段階でやっておけばよかった事例集なども効果的ですし、逆にそういった意識付けがチャンスとなるため、予備軍向け(所有者ではなく)としてターゲットを分けると、それらに特化した内容が作れるかもしれません。例えば、将来見込まれる解体費用の積立をする(保険や運用手数料を得る?)などです。

そうやって長期でお付き合いする人を増やしつつ、相談料やアドバイス費等では限界があるので、解体、管理、売却、仲介等の適切なプロに任せるほうが良さそうです。自社で全てやる必要はなく、適切なプロにつなぐ、仲介する。ただしそれらのプロは自社で選定し、しっかりと信頼できる人でないと意味がありません。

このような仕組みを作れば、予備軍に空き家が発生する前からアプローチしてかつ困ったときにスムーズにサービスが提供できることになりそうです。

おわりに

空き家に対して何かしようという意識や選択肢、勉強をしていても、実際に行動にうつせるかも鍵になります。例えば売却という選択肢をあげる人は4割近くもいるわけですが、売れるかどうかとは別なわけですね。例えば売るためには何が必要かを自身で考えていく必要がありますし、勉強する必要があります。売りたいという意思をどう行動に落としていくかですね。

利活用も同様ですし、全ての対応や対策は言われたからやるということでなく、こういう効果が期待できるとか、問題を解決するためにという合理的なものと、実家に思い入れがあるとか家族との共有物であるからとか感情的なものが普通は重層的に並んでいるものだと考えられます。

そういった所有者の意識を丁寧に踏まえつつ、何か一つで解決でなく、一つひとつ整理をして最適なサービスを空き家所有者、または空き家予備軍に提供するのがビジネスの肝となりそうです。

これはコンサルだけでなく、空き家仲介や空き家売買、空き家の管理、空き家の解体など空き家に関する全てのことに共通するかなと思います。例えばですが、空き家解体事業者でも「ただ解体してくれればいい」というお客さんもいますが、「どういう気持ちかを汲みとって解体する」のであれば、後者のほうが価値があると言えます。

もちろん、汲み取るとはお客さんへの想像力であり、サービスとして細かい部分が質が良いということに他なりません。

これらを詰めて考えていった先に、おそらく新たな空き家関連ビジネスや空き家サービスというのが生まれ、展開されていくのではないかと感じました。

何かヒントになれば幸いです。

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名古屋の不動産市場を知る

日本ランドエンジニアリング株式会社では、数年に一度のペースで、名古屋中心部エリアの不動産状況を調べています。2017年度は変貌する名古屋5(2017年6月作成)を発行致しました。名古屋の不動産市場を見るデータとしてご活用頂ければ幸いです。

名古屋中心部エリアの調査レポートです。表紙、裏表紙込みで全体で12ページとなっています。配布ファイルはPDF(約2.5MB)で、データファイルはA3サイズですが、A4の縮小印刷でも可読可能です。

レポート内容は、

1.建物の主たる利用別用途図(P.2-3)

2.建築中および5年以内に新築・建て替えられた建物(P.4-5)

3.既存および建築中ホテル(P.6-7)

4.所有権の異動(売買および相続)(P.8-9)

5.投資法人が所有する建物(P.10)

6.名古屋市中心部の状況(P.11)

となっています。

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