空き家所有者の親が認知症になったら成年後見制度で対応できる?

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例えば空き家所有者である親が認知症になるケースがあります。認知症の人はどれくらいいるの?では、65歳から69歳までで1.5%、70歳から74歳までで3.6%、75歳から79歳までは7.1%、80歳から84歳までは14.6%、そして85歳以上では27.3%となり、85歳以上では4人に一人という割合です。結構多いですね。

今回はこの認知症になったら、成年後見制度があるから大丈夫という話を聞くわけですが、一体成年後見制度とは何かを考えていきたいと思います。

成年後見制度とは

あまり見ないのですが法務省サイトの説明から見てみましょう。ルビも振ってあってわかりやすいですね。成年後見制度せいねんこうけんせいどってどんな制度ですか?では、

 認知症(にんちしょう),知的障害(ちてきしょうがい),精神障害(せいしんしょうがい)などの理由で判断能力(はんだんのうりょく)の不十分な方々は,不動産や預貯金などの財産を管理したり,身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約(けいやく)を結んだり,遺産分割(いさんぶんかつ)の協議をしたりする必要があっても,自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また,自分に不利益な契約(けいやく)であってもよく判断ができずに契約(けいやく)を結んでしまい,悪徳商法(あくとくしょうほう)の被害にあうおそれもあります。このような判断能力(はんだんのうりょく)の不十分な方々を保護し,支援するのが成年後見制度(せいねんこうけんせいど)です。

(同上より引用、括弧は読み仮名を読みやすくするため筆者追加)

認知症だけでなく、判断能力が不十分という場合に財産管理や契約について、保護し支援する制度となります。では実際に悪徳商法等の被害があるかというと、あるようですね。少し前ですが、認知症の高齢者を「食い物」にする手口が横行 「修理より買った方が得」ということで、結構がんがん断れないことをいいことに売ってくる業者も多いということですね。

空き家所有者が認知症になった場合はどうする?

判断能力が不十分である認知症になったら、成年後見制度は使えそうです。では実際にどうなのでしょうか。親が認知症になり実家が空き家…その家、売却できる?では、

したがって、親の家が空き家のまま放置されることにより、ご近所の迷惑になる、維持・管理費がかさむから、という理由だけでは、裁判所の許可は下りないこともあるのです。

(同上より引用)

となるケースもあるようです。つまり、上の記事にもありますが、あくまで家庭裁判所判断であり、その判断において、売却の必要性、親の帰宅可能性、親の意向、売却代金などをトータルで見られるということですね。このあたりが悩ましいというか、家族だからというのは通用しないんですね。だからこそ裁判というか、保護されるという部分でもありますよね。

よって、可能性や確率の問題でもありますが、現状は認知症→預貯金や不動産は成年後見制度で対応できるとは言いがたく、できなくないが上のような緩め?の空き家課題では厳しいということもいえるわけです。積極的な売却は出来ないという感覚かもしれませんね。

では、例えば任意後見制度などまだ親が健全で認知症でないときに仕込んでおけば良いわけですが、それに加え家族信託というのも最近は仕組みとして使えるようです。このあたりはまた別で調べてみようと思います。

おわりに

認知症は今後団塊の世代、団塊Jr世代など高齢者率が高い世代で急増するため社会的にももっと叫ばれるセットになりそうです。高齢者の老人ホーム等の入居、住み替えで空き家になったり、または認知症の数だけ持ち家率が高い世代なので、手間がかかる課題となります。その数が多いので仮に4人に一人で25%の方が認知症になればその割合は相当のものです。もちろん全て、まずいケースではないでしょうが、潜在化されていていきなり吹き出す問題とも言えそうです。

このように空き家は調べれば調べるほど単独で成立する問題では決して無く、他の課題や問題と重なって存在する、出てくるから対処が簡単ではないということが明らかです。

理論武装とはいいませんが、様々なケースを知り、何が課題かを知り、そしてどう対応すべきかを自分で考える。その一助になれば幸いです。

 

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