空き家問題に司法書士はどういう視点で仕事をするか

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愛知県司法書士会主催「市民セミナー(「相続登記」・「成年後見」からはじめる空き家対策の第一歩~放っておくとコワイ空き家の話~」へ参加してきました。今回は、資料として頂いた「司法書士アクセスブック 放っておけない空き家の話」という小冊子から空き家の相談事例と司法書士の観点について考えてみます。

司法書士の主な観点は2つある

セミナー自体は、第一部は名古屋市で空き家担当者の方されている名古屋市役所の方の空き家の現状の説明。第二部は司法書士から見た空き家問題ということで司法書士観点の空き家の話がされました。

ところで、空き家に関する専門家という視点は気になるところですが、例えば以前書いた空き家に関連する資格を調べてみたなどで少し伺えます。ただこれらは資格でしかなく、例えばここに司法書士というものが挙げづらかったです。もちろん不動産鑑定士もそうですし、弁護士もそうです。

要するに、専門家というのが空き家に全部関わるのでなく、空き家=社会課題とするとき、一般に社会でいえば法律のトラブルは弁護士に、税に関することは税理士に、というように細分化されすぎてなかなか見えづらいということが分かります。違う言い方をすれば、自治体が空き家協議会を作るとき専門家団体としてどの専門家を候補に入れているか。そのリストを作っていこうかなと思っています。

司法書士の観点というのは一度セミナーで聞いただけでは分からない部分も多いですが主に2つかなと思います。

1.相続登記を行うプロ

司法書士の仕事として、登記手続の専門家という立場があります。相続登記とは簡単にいえば相続時にごたごたしないように登記しておくということです。正確には誰が相続するかを話し合って登記をして明確にすることとなります。資料では実家の親が亡くなったから相続出来ると思っていたら、実は親の名前で登記がされてなく登記者はおじいさんだったという例があります。こういった「実はこうなっていた」というケースは非常に手間です。被相続人=なくなった方を攻めることはできないですが、とはいえ相続人(息子等)がそれらの後処理をやることになります。

ここで分かるのは相続というのがいかに人間関係や社会とつながっている行為ということでしょうか。そして相続登記は自前でも出来なくないですが、時間がないと手間ですし、非常に面倒という印象です。そのあたりはプロに任せるのはショートカットできるという印象です。

2.成年後見制度を行う専門職後見人

漢字が多いですが、要するに成年後見人となる専門家として実績も多いので、成年後見人をやるという話です。専門家として信頼がおける人に後見人は頼むことになるので心強いですね。成年後見関係事件の概況-平成27年1月~12月-では、誰が後見人となっているかの割合が確認出来ます。司法書士は9,442件、弁護士は8,000件、子どもが5,515件、社会福祉士は3,725件となっています。勝手なイメージでは社会福祉士が多いのかなと思ったのですが、司法書士や弁護士の半分以下ですね。

これらは、愛知県司法書士会の空家問題~司法書士がお役に立てること~では、自治体向けと書いていますが、相続登記、または空き家協議会などの専門家メンバーということが書かれています。

アクセスブックにある相談事例

アクセスブックにあるP.8,9の事例は、「全国空き家問題110番」(平成27年8月23日実施)のデータの一部のようです。こちらからPDFが見えます。事例の中では、相続登記や財産管理、遺産分割調停、成年後見、不在者財産管理人、妨害排除請求訴訟という形で司法書士が仕事をするという形となります。

上の110番イベントでは、約400人の相談者があり、6割の方が相談歴がないということで、こういった周知するイベントの効果やいかに相談先がなかったが顕著となります。私もですが、司法書士が何をしているか、いわゆる専門家の仕事を把握されている一般人がどこまでいるかですが、何か関わった経験がなければ普通分からないと思ったりしました。

上の相続登記、成年後見以外にも財産管理人としての役割などもあるわけですが、成年後見自体は弁護士や他の職業が競合するともいえます。

実際にある相談事例やケースから専門家の仕事として提案するのは強みとなりますね。

おわりに

今回は司法書士がどう空き家問題を見るか、とくに司法書士がどう関わるかというところを考えてみました。今回から分かるのは、登記で困ったらまずは司法書士というところ、成年後見人は司法書士も含め専門職後見人はいくつかあるということが見えてきました。

例えばこれが税理士なら全く違う見方でセミナーや説明をされるのではないかと思います。例えば空き家売却時の譲渡税が3000万まで控除などは税理士が強そうです。もちろんこれもイメージにすぎませんが、中立的に見るならば、どういう専門家が何が得意かを把握しておくことで、適切な相談先を確保しつつ、また心強い相談パートナーとなってもらえる可能性も高まると思います。

例えば空き家活用を考える場合、何をどうしていきたいかのアイデアが必要です。例えば専門家でも様々で、相続登記を得意とする司法書士が多いならば、相続登記実績が多いところに頼んだ方がスムーズということが考えられます。空き家をリフォームしたいということで司法書士に相談する人は稀でしょう。ただリフォーム後登記を変えたいのであれば話が異なります。専門家なら大丈夫だというのは、専門家は自分の仕事領域のプロですからそこは過度な心配はないとしても、とはいえ専門家やプロでも人ですから得意不得意や実績の過多があって当然です。そこをうまく見極めるのが大事だろうと考えます。

他の専門家である弁護士や税理士など他の専門家視点の見方もまた学んでいければと思います。

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