空き家一括サブリース事業は意外に色々あるので比較してみた

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新築のサブリースで一括借り上げでなく、空き家をリフォーム込みで借り上げる事業があることを以前ご紹介しました。

気になったので今回はさらに突っ込んで調べてみました。

リフォーム借り上げは「タダリノ」など2009年頃から存在している

例えば、S-FITという賃貸仲介をしている会社が行っている「タダリノ」というサービスがあります。これは、まさにオーナーに原資がなくても、会社が負担してリフォームを行うものです。全国賃貸住宅などにプレスリリースが出ていました。

7年ほど経っていますが、初耳でした。作品集を見る限り予算が150-200万というところで限られるので台所の排水パイプを見せたり、リノベーションのやり方はある程度決まっているのではないかと考えられます。

どちらかといえば、自社管理物件や自社仲介先のオーナーさんの築年数が古くなってきてこのままではまずいという時のオプションという気もしてきます。

前回の記事でも指摘したように「エリアが限定される」「審査があるので誰でも出来ないはず」というところを証明する記事を発見しました。

タダリノのインタビュー記事で、

Reno* : すばらしいっ!!!ビジネスモデルとしては、タダリノ(※1)に近い部分もありますね。タダリノは会社で工事費を負担してサブリースを行っています。会社が責任を持ってオーナーの負担を軽減して空室を無くして行くモデルです。ただ、現状ではコストバランスとの兼ね合いがあり、どのエリアでもどんな建物でも出来る訳ではないというところが問題として挙げられます。僕たちもオーナーの要望に全て応えてあげられず苦心しています。

*[Interview] 「 Tukiji00-market side」 / 畑山慶 より、引用、太字は筆者注)

このインタビュー記事が2010年10月頃で、タダリノリリースが2009年6月だとすると、1年過ぎた頃での手応えといえそうです。コストバランスとは、おそらくですが、200万をリフォームリノベーションという形で手がける時に、家賃のいくらをオーナーと分けるか。家賃10万として8万もタダリノが貰うなら、1年で96万、約100万とすると2年は必要です。

このため、例えば元々空き家になっていて、家賃が8万であっても、10万に+2万しても入居者がいるという立地やエリアでないとなかなか「着手」できないというのが実際でしょう。そうでないと、タダリノがボランタリー事業になりすぎて、赤字分を回収できないからです。

上のオーナーの要望に全て応えてあげられないというのは、例えば率は分かりませんが、10問い合わせがあっても1応じられるかなどというところではないでしょうか。つまり1割以下しか対応できないのではないかと考えられます。

タダリノや空き家一括借り上げサブリースの事業が悪いわけではないのですが、過度な期待は出来ないということ、また優等生物件やリフォーム側の審査でコントロールされるというのが事実でしょう。

 

0円リノベFREE

こちらは今年6月にプレスリリースがありました、新しいサービスです。

内容はタダリノ等とほぼ同じですが、空室リスクがない(会社が負担する、またはフリーレント期間なども設定しておらずオーナーにとってはお得)などまた細かな内容が異なりそうです。

こちらもおそらく市場調査などで相当よくないと開始とはならない気がします。ちなみに、会社側はなんとかしたいと思っていても投資に見合わなければやらないわけで、そうなると大手がこの空き家サブリースをやることはまずないとして、地元の企業などが地域貢献を兼ねてやると相性が良さそうです。

ただ件数が少ないとインパクトも出ず、ビジネス的にも微妙になりそうです。

2016/9/21追記

ご担当者様からお問い合わせを頂きました。ありがとうございます。

事業自体は、想定の賃料収入、リフォーム費用、家賃保証額の3つの要因でサブリース期間が決まってくるようです。よって相当老朽化した家屋でも10年以上かかっても良いというオーナー側が了承すればそれで行うということであり、ケースバイケースとなり、基準はとくにないという話でした。

ご指摘として、事業だけをみればリスク期間が長くなりがちですが、「再建築が出来ない不動産」がこのサブリーススキームであれば流動化できるのでその点は有効であるというお話も頂きましたが、その通りだと思います。

以上を踏まえると、限定的な立地や貸しやすいというエリート候補を探すというよりも、取れるリスクは限度はあるが、細く長くという事業属性を持った事業といえそうです。

 

リノッタ0円スタート

こちらも内容は同じです。長期空室のオーナーさん向けということで、とくにターゲットを絞って戦略的にリフォームするということが書かれています。サービスが2015年からなのでまだ新しいですね。

 

借り上げ期間が24ヶ月か36ヶ月と選べる形となっているので、家賃収入もそれに応じてとうところですね。

○得リノベ

こちらも内容はほぼ同じですが、こうやってみると多数の会社が取り組んでいることが分かります。

家主負担0円リフォーム

こちらも同様のサービスですね。

各社サービス比較表

他のサービスもあるとは思いますが、先回記事とあわせてサービス提供者とサービス内容を比較してみました。「?」と書かれた欄は見当たらなかったというところです。ざっとまとめたというところでご参考まで。

画像クリックで元のサイズに拡大します。

201608230011

 

20160823002

まとめていた気付きとしては、

  • 固定資産税、都市計画税などの税金の負担はオーナー負担かどうかは結構さらりと書かれていますが、例えば手元に毎月2万入っても、建物や土地などの固定資産税がそれ以上にかかるのであれば「そのまま放置するよりはいいか」という感覚になります。このあたりも要確認でしょう。
  • 火災保険加入は入居者のそれではなく、建物全体の話だと思います。この部分も確認が必要でしょう。
  • 収入自体は多分それほど変わらないというか、実際にかかるリフォーム等のコストをどれくらいの借り上げ期間で返すか、それらの相談や各社の見積次第でしょう。ただ明確に10%としているところや様々ですね。
  • さすがに0円を謳うところが多いので、初期投資や管理コストは0円となりますが、例えば、マンション等であればそれらの管理費や修繕積み立て費はオーナーであれば自明ですがその当たりのコストはどうなるかも確認ですね。
  • 借り上げ期間も様々です。2年だと比較的短期でしょうか。5年程度かかるというのも分かりますが、5年あれば市場環境も変わるわけで、10年程度先であればそもそもの不動産経営自体に対する感覚が必須な感じがします。そういう意味で空き家になってしまったので丸投げというのは長期的には厳しいでしょう。
  • 対応エリアはたまたま都心なのか、それともビジネス効率性のためか分かりませんが、地方の会社?はエリアを書いてないのでおそらく地元等エリアなのだと考えられます。
  • フリーレント、つまりオーナーから見ると家賃がもらえないことになるのですがそれらも1ヶ月から3ヶ月と結構ばらつきがあります。
  • 途中解約についてもリフォーム分を買取で終わるのか、それともそもそも解約不可なのかなども色々ありそうです。
  • 新築サブリースにおいては家賃の見直しが2年毎にあるなどが一般的のようですが、本空き家借り上げサービスについてはそれらはほぼ書いてありません。少ないが安定した収入家賃がさらに減額されるということもあり得ないかどうか、そのあたりも分からないというところですね。
  • 各社サービスについてというよりも、そもそもリフォームを得意とする会社なのか、管理業が中心なのかで実際の施行会社は変わるわけです。リフォーム修繕費という名目でどれくらいになるかもリフォームにまつわるという意味では見逃せない(例えば300万かかるより200万かけて返済期間が短い方がオーナーには有利ですが、そもそもオーナーから見て300万か200万の違いが見積や説明で分かるのかというところになります。このあたりは相手が信頼できるかどうかを見極めていくしかないですよね。)

など、様々な気付きが得られました。ぜひご興味ある方はご自身でお問い合わせや調べてもらえるといいのではないでしょうか。

おわりに

色々な空き家サブリースサービスを見てきました。このサービスが空き家を解決するとはもちろん言えないのですが、とはいえ切り口やアイデアとして面白いと思いました。

ただ、会社としてやっている以上マネタイズスピードが遅い気がするので、そのあたりが課題かもしれませんが、リフォームしたものを家賃から返すというモデルなので早めることは、多分オーナーの自己負担や戸数を増やして経営バランスを取るとか、そういったところでしょうか。

 

 

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