空き家関連ニュースから空き家関連市場を考える

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空き家に関連した、中古市場や新築市場も変化していくことが求められています。時代に応じた変化をしないといつの時代も淘汰されてしまいますね。

今回は、他領域から少し空き家について考えてみました。

新築市場の縮小、中古市場の拡大

こちらの日経の記事2033年、空き家3割時代 LIXILなど住宅市場の主役狙う では、空き家比率が2033年には約3割になると予想。同時に2030年には新築でなく中古を選ぶ世帯が29%から48%に上昇というのがメインの話です。選ぶ=購入かまでは分かりませんが、29%も中古を買っているなんて衝撃ですね。2015年でですよ。

中古流通量も増えており、同時に新築市場減少とは、新築の数が減るようです。2015年度92万戸が、2030年度には54万戸になる見通し。半減ですね。

中古市場を国も活性化させる。空き家もマーケットに適切にのせられるならのせていく。海外に比べて中古市場が発達しないのは価格がすぐに減じてしまい、取引にならない点で評価されない、保証が弱い点でしょう。(関係ないですが、書籍について中古市場があるのは価格が定価が前提で保証されているからのようです。例えばアメリカだと思いますが本の中古ってほぼ市場としてないようなもののようです。古くて少し安いなら新しい本を手軽に買うというわけだそうです)

このあたりもほぼ予測通りになると想定すると、今後どうなるかを考えていく必要があります。

リフォームビジネスの拡大

中古市場というのもリフォームも含めているかはおいておいて、いわゆるリフォームビジネスも市場が伸びると考えられます。よって、リフォーム業界は活況で喜ばしいと思えますが、ライバルが増えることで、一社あたりの売上が減る可能性もあるわけですし、同様に勝ち組と負け組という熾烈な競争も起きることも十分考えられます。

例えば今まで新築領域にいたプレイヤーがリフォーム側に単純に移ってくることが考えられます。なぜなら、新築ではお客さんが単純にいえば半減するのでパイを求めてリフォーム市場や中古市場に移ってきます。大手的なやり方と中小企業的な戦略は別だと考えるわけですが、中古なんだけどしっかりとしたサービスやフォローがあったり、今でこそ借りづらいローンも安定的なニーズがあれば一般化してきたりするでしょう。

あまりないかもしれませんが、新築で築年数が40年くらいある実家があるケースで、その息子が二世帯的な中古住宅を買ってリフォームするとかもありかもしれません。その場合、両親は新築でないといやがるかもしれませんが、息子の判断なのと、先も長くないので孫と一緒に生活できるほうが嬉しいとか思うかもしれません。ここまでくるとライフスタイルの提案というよりも、今に生きる人がどういう感覚で生きているかを知らないとアンマッチな商品やサービスを作ってしまうことになります。

例えば、田舎や地方が良いという若い人もいる一方その数は多いとはいえないと思います。なぜならそのケースが取り上げられるほどだからなのでレアケースといっていいでしょう。しかし、都会集中型になると、所得が獲得できないとシェアハウス型や家賃を賄えるケースとなって、それを貧困ビジネスという枠ではなく、そこから仕事や経済を生み出せる形にしていく工夫が必要となります。国や政府がこれを設計できるかはかなり疑問なので、スタイルをうまく構築していく若い人を追う必要がありますね。一方で都会ブランドの分譲マンションが売れなくなることはないと思います。二極化という言葉はあまり容易に使うべきではないと思いますが、はっきりと住める住めないは分かるのが住宅であり不動産です。

賃貸市場の縮小

大きな影響などになるかは分かりませんが、空き家数が多くなると、それらに住もうという人が増えます。空き家とはここでは、空室という意味もあるので、単純に家賃が下落します。たくさん供給があるので、新築のアパートマンションの家賃も昔の相場より下落します。そうでないと借り手がいないからです。また築年数が古すぎるアパートマンションであれば空室が埋まらない状態となります。つまり空室の固定化です。そうなると、例えばアパートマンション12戸などの個人オーナーがやっているようなマンションは経営が厳しいです。これらは複数棟で地理やターゲットを分散させていれば安定しやすいですが、一棟のみではそこがうまくいかないのであれば即ち経営的にまずいからですね。

ではこの空室の固定化は解消出来るのかというと、相当厳しいでしょう。人の家賃や価格に対する心理があります。月間1,2万円の家賃は相当怪しいわけですが、一方でそれで採算が取れるか、何か怪しい物件ではないかと思われます。全く正当な家賃であればその理由を説明する必要がありますがそれが伝わるかは別問題です。多くは伝わらないはずです。

つまり、家賃相場観から安くて3万~高ければキリがないですが、ワンルームであれば都会を除けば、5,6万程度が範囲です。つまり、空室を埋めるために赤字でも入れるかというところで既に経営的には厳しいとなるわけです。どちらかというと市場やその流れが読めなかったということで、諦めて物件を売却するか、ローン返済が終わっていないなら、負債を抱えてでもいくしかありません。このあたりにおいて、現状減税のために短期的に新築マンションを建てるのはおすすめできませんが、長期的にみてどうかも視野に入れた上で動かれる人は少なそうです。

新しいかどうか分かりませんが、分譲マンション新築をローンで買う若い人というのがモデルケースとしてあるので、中古住宅をローンで買うという選択肢も出てくるかもしれません。その場合問題は、その家をどう捉えるかですね。賃貸であれば実際にはそこに住んでいないと実家的な存在にはなれません。一方で持ち家であれば所有できるのはその通りですが、そこに居住し続けるならいいのですが、自分の世代以降に引き続くかはリフォームや再建築などで現実的には建て替えとなりそうです。

少なくとも、新築しか購入されない時代でなく、中古でスタイルを選んでいく時代になっているのは、社会の変化といっていいでしょう。古い=駄目ということではないですし、そのあたりの価値観はシニア世代には分かりづらいかもしれませんし、バブル世代前後で変わりそうですね。

自治体の淘汰

実際に自治体がすぐ消えるとか、そういうことはないわけですが、とはいえ自治体は住民から税金をとり、そのお金で回すモデルです。それを公共インフラといったり、市民がお互いに手が回らないことをシェアしているといえそうです。

しかし、一方で人口減少の中では、住民が減るので、税金が頭打ちでなく、増えることがありません。例えば観光客を増やすことで、自治体への移住はどこまで現実的かは分かりませんが、一方で有名になったり観光地が潤えばその土地の人も潤うので住み慣れた人が減ることはありません。

コストとなりやすい、上下水道設備や病院などは一定のインフラ投資が一定の住民がいるから成り立つのであって、コンパクトシティというのはそういう意味では理にかなったものといえそうですが、その範囲やエリアをどうするか。一方で、市町村合併などは組織が巨大化するわけですが、実際はエリア当たりの人員を減らすことになり、スリム化できるのかもしれませんが、逆に言えば小さな町にお金が落ちてくることはまずないといえるかもしれませんね。

自治体が消えていく時代を予想出来る人がいたかもしれません。しかし、実際に人が増えていかないと時代は単にこうすればいいというものよりも、時代に応じたアイデアが必要となります。そのアイデアを考えて実行出来る人がいるか、そういう組織や自治体があるかが今後の自治体やまちづくりにおいて大事なことになりそうです。

これはビジネスとは関係なさそうですが、実際に住民が満足していない町は寂しいですし、人がそこから離れます。故郷再生というのはありですが、誰もが故郷がつぶれて欲しいとは思わないですが、実際の世の中の流れに逆らうほどのアイデアがある人も稀ですし、それを実行する人も少ないため、多くは消えてしまうかもしれません。

ビジネスでいえば、自治体をどう運営すればいいかが出来るプロ自治体、経営や住民満足度などが高いところと低いところが顕著になるでしょう。その場合、コンサルとして実際に使える施策を打ち立てていくところが大いに評価されそうです。もっとも自治体の場合に、そこまでその自治体の戦略にお金を出せるかは怪しい気がしますが。

おわりに

中古市場、リフォーム、賃貸、自治体というところで考えてみました。

単純に言えば、人が減ることや新築市場のマイナス要因が、中古市場の価値やポテンシャルを作り、また中古市場自体を成長させます。賃貸市場も借り手不足になるとか、空室固定から外国人入居やよくあるのは労働ビザとか仕事をしやすくなるなどの動きや制度が作られたり、今まで借りづらいという社会的弱者が借りやすくなるなどはありそうです。このあたりのバランスから、賃貸+中古市場という組み合わせが有力になっていくかもしれません。

自治体は個人ではどうしようもないレベルですが、とはいえ例えば同じ税金を納めていても強い弱いはあって、教育に力を入れる=学校費用がタダとかなのか、子育てがしやすいのが何か、あとは故郷や地元、家族や仕事との関係になっていきそうです。このあたりはライフスタイルであり一人や家族や世帯がどう生きるかの哲学に決まるので、正解はありません。

今回は、空き家とは直結しない関連市場がどう関係してきそうか。一面的な感はぬぐえませんが、空き家を考えるきっかけとして、関連しているところからの流れも考えてもらえればというところを提示してみました。

 

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