2018年4月から始まる安心R住宅について調べてみた

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最近、安心R住宅という言葉をよく目にします。ざっくりとリフォームや中古住宅の話だとは思っていましたが、きちんと調べていなかったので調べてみました。

安心R住宅とは?

ざっくりいえば、中古住宅を扱う不動産事業者の登録制度です。単なる中古住宅でなく、ちゃんと中古住宅の質、整備をしているかという目安になるものです。国交省のサイトで詳細があるので、そちらをぜひ見てみてください。国交省安心R住宅

いつから始まるの?

スケジュールが国交省の資料にあり、告示交付は既にされていて、事業者向け説明会も終わっています。そして告示施行も2017年12月で、現在は団体登録や審査の時期です。最初分かりづらかったのは「団体」であって、個別の事業者ではないということです。そして、今年2018年の4月から、あと1ヶ月先ですが、安心R住宅のロゴを使用して広告宣伝等がオッケーとなります。ですので、4月からチラシやWeb、動画広告などで「安心R住宅」のロゴを見かけ始めるはずです。

安心R住宅の内容は?

実際に安心R住宅は登録制度で、といわれても消費者的には無意味です。そのマークによって何が保証されるかなどが気になるところです。耐震性(新耐震基準)があり、インスクペションとして建物状況調査がされており、現況写真やリフォーム等の情報がある、ものに限られます。

消費者としては、チラシを見た時にマークを見かけた場合、その事業者が団体に加盟しているかを確認する必要があります。ロゴマークを勝手に使うケースもあるわけですし、このあたりはどんなマークでもですね。ですので、あるから安心という印象はいいのですが、そこからちゃんと調べる癖はつけておきたいところです。

現在の安心R住宅登録団体は?

現時点で、2団体のみです。おそらくそこまでたくさんの団体があるとは思えないのですが、今後どうなってくるかは分かりません。

1つは、一般社団法人優良ストック住宅推進協議会(スムストック)です。若干分かりづらかったのですが、この団体の会員である会社が現時点で10社あるようです。消費者が目にするチラシなどには、この10社のいずれかの名前があって、安心R住宅があれば使い方に問題はないということですね。

もう1つは、一般社団法人リノベーション住宅推進協議会です。こちらの会員一覧では、936社とあるので、前者に比べて大分多いです。ただ、正会員なのか賛助会員なのか、そのあたりで使い方が異なるかはよく分かりません。おそらく安心R住宅登録団体として、例えば現時点では2団体ですが、そこに加盟している事業者が使うわけです。売主だけでなく、仲介する場合も良いのでロゴマークのイメージと実際のイメージが合致していくかというところでしょうか。

国、登録団体の役割

安心R住宅において、国がやることは、「ロゴマークや要件の設定」です。資料に書いてありますが、登録団体は適正な運営を確保するために必要な体制及び資力がある法人でないと出来ませんし、また事業者へのロゴマークの使用方法や研修等を実施するなどやるべきことが定められています。住宅の要件は先程あげたような耐震性、リフォーム済(なければリフォーム提案書があること)、住宅調査報告書があることなどです。

登録団体はそれらに基づいた上で住宅リフォーム工事の実施判断の基準を設けます。ですので、私の解釈としては、国が設定した基準を最低ラインとして、登録団体毎で異なるリフォーム工事の基準が出来るはずです。異なるといっても、国のラインを超えているのでオッケーというわけですが、実際に運用されてどういう課題が出てくるかは注目です。

この制度によって何を国が行いたいか?

何度も書かれていますが、既存住宅の流通を促進したいわけです。既存住宅市場に関わってくるので影響は大きそうですし、統一的な基準が出来ると市場も活性化しそうです。課題として、不安・汚い・分からないという消費者視点の課題を解決するため、それらを解消したものを安心R住宅として流通していくという考え方です。

推測に過ぎませんが、中古住宅の市場は伸びているので、そこから安心R住宅マークが付いたものはより売れ筋となりそうです。実際にはマーク付きが不足していき(買う人がマークなしより多くなるため)、やや価格も強気になる物件が増えるかもしれません。逆に、今まで良い物件だけど分かりづらかったものがより分かりやすくなし、ごまかしが利かないということになり中古物件でも差別化がより出来る(少なくとも新築の古いものというくくりでなくなる)ことになるかなと思います。

不動産事業者の視点

不動産事業者としては、安心R住宅の使用許諾を持つ団体に登録していくことになります。していくこととは義務でもなんでもないのですが、中古住宅を売りたい場合、仲介してビジネスをしていく上では国のが許諾を得ているマークは強いわけです。もちろんマーク使用で売上が上がるという短絡的な見方でなく、事業者としてきちんとしているイメージとして認知アップというのもあるでしょう。

スムストックでは、QAにありますが加盟会員は増やすとありますが、おそらくそこまで増えるかは分かりません。リノベーション住宅推進協議会はもっとポップに分かりやすく説明がありますし、こちらの団体はR1住宅など独自の基準で今までやってきた実績もあり、なるほどなと感じました。選択肢が現時点では2つしかないのでなんともですが、今後登録団体が増えるかどうかは調べつつ、加盟してビジネスをしていく事業者にとっては現時点では選ぶというほど選択肢がないという印象です。

あとは、既存住宅のリフォーム施行をする会社だけでなく、買取再販とか仲介といった流通に関することには使えるマークだと思うので、「うちは既存住宅の仲介だから関係がない」と思って除外していると勿体無いかもしれません。このあたりの詳細はぜひご自身で調べてみてください。

おわりに

安心R住宅自体は事業者向けの関心が当初は高くいものの、流通が広がっていくと消費者の一つの指標になるだろうと考えられます。空き家活用においては、多くはコストが掛けられないからこそ、安心R住宅などの既存住宅、中古住宅、リノベーション住宅とは違う価格帯になるわけですが、もう少し時間が経ってくると、安心R住宅で整備済の空き家とかが出てくるかもしれませんね。

空き家という視点でいえば、空き家の流通マークのようなものを考えると見合わないかもしれませんが、空き家流通を促進したり、空き家に強いという事業者をうまく認定出来たりすると面白くなってくるかもしれません。

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