空き家を学生支援シェアハウスとして活用する

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児童養護施設を出てそのまま一人暮らしや全てのことを全部やるのは厳しい。そのため経済的負担や孤立感から社会生活をうまく営めなくなる。

空き家を活用し「児童養護施設出身者の進学と自立を支援する」シェアハウスが興味深かったので、今回はこの記事から気になったことを調べていきます。

児童養護施設出身者の大学進学率は1割

学生支援ハウスようこそによれば、一般的には大学進学率は5割ですが、施設出身者であれば1割まで下がるとあります。実際に高校卒業と同時に児童養護施設を出なければならず、必然的に一人暮らしとなります。大学であれば学業と仕事を兼ねてやるため、なかなか辛い現状が伝わってきます。多くの場合、一般的には親が学生に仕送りしたり、実家ぐらしで家賃はかからなかったりなども多く、まさに親の稼ぎなしには大学進学は難しいとも言えます。

しかし、この学生支援ハウスやNPOの活動で支援をすることで、うまく着地すれば学業と仕事を両立して、社会生活の知恵を身に着けていくことが出来る。そういう期待を感じました。助走期間の伴走とは、言い得て妙ですね。

シェアハウスは私費を投じて運営

記事によれば、代表自ら資金調達はうまくいかなかったので、私費を投じて空き家を改修。そしてシェアハウスとして運営しているようです。家賃も5万円であり、それに朝夕2食、水道光熱費なども含まれており、立地も最寄り駅(東京都区内)徒歩5分で一般的には格安相場だと思われますが、支援の意味を含めると妥当かもしれません。

私費を投じることは仕方がないとしても、事業としてはなかなか厳しい面があります。ようこその活動報告によれば、学生は早朝にアルバイトのため外出し、昼半ばで大学等学校へ、その後夜遅くに帰ってくるのが普通とあります。これは要するに仕事と学業を並行しているため、また大学の課題もあればそれをやる必要もありますし、睡眠も大事なので寝なければいけません。ほぼフルタイムで動くこの生活は結構な辛さがあります。時間がないことから友達であるとか、遊び(お金を使わなくても)というところがうまくできるかどうかも気になるところですね。

そういう学生たちの忙しさから、当初シェアハウス運営で想定していたような皆でテーブルを囲んでご飯を食べるなどは少なく、悪く言えば帰って寝る場になっているといえます。しかし、ご飯が食べれるし、誰かいてくれることで「心の安定」であり、「良いサードプレイス」でもあるともいえるわけで、これこそ伴走的な存在と言えそうです。

空き家の活用事例としては社会課題へのアプローチ

今回の事例では、空き家自体を私費で改修して、児童養護施設出身者で大学等へ通うとくに女子学生をなんとかサポートしたいという思いからでした。

一方で空き家が空いているなら何かに活用すればという声は簡単に言えるため、色々なアイデアはあるわけです。ですが、結果的に改修を自分でするにしてもお金がかかります。そしてこの支援ハウスはまだ試みとして1,2年であり今後課題とアプローチも明確になっていくわけですが、このシェアハウスモデルを事業として継続出来るかは微妙でしょう。NPOとして寄付や会費からなんとか賄うことで、そもそもの私費がなければ出来ないモデルでは広がることも難しいわけです。

思い出したのは、社会課題とはややずれますが、若い漫画家支援であるトキワ荘プロジェクトです。このプロジェクトは家賃を漫画家を目指す人に安くし、かつ漫画家になれるようなサポートがあります。とはいえ当然本人にやる気がないと駄目ですが、ユニークな活動だと思っていましたが、入居者400名で、デビューした人80名とはかなり高い確率だと感じます。(運営開始は2006年のようです)

どうすれば持続出来る形でこういった支援型のシェアハウスが出来るのかは要注目です。

おわりに

今回は、空き家のシェアハウス型での活用事例の紹介でした。正直なところNPO的に行うと継続性はかなり疑問ですが、一方で可能な範囲として仮に初期投資は無視出来るものとして、運営費で回せるならいいわけです。しかし、家賃収益で月額20万程度で全て込みであればおそらく運営費でも赤字だと思われますので、そのあたりがうまく事業的に改善出来ないかとなります。

不動産賃貸ビジネスはやはり簡単ではないため、無茶かもしれませんが、学生がアルバイトや就業という視点でなく、事業を立ち上げるという尖ったことをするくらいでないとなかなか打開は難しいでしょう。少なくとも私費を投じる方はものすごい思いがあるからこそ、リスクを踏まえつつも出来たのですから、そのあたりがうまく形になるといいですね。

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