自治体主体で寄付集めするガバメントクラウドファンディングを少し調べてみた

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

山梨県南アルプス市とトラストバンク、ふるさと納税を活用した地域活性化策を開始を見て、そういえば自治体がクラウドファンディングをする時代だなと感じました。今回は、自治体がクラウドファンディングして寄付集めが出来るというガバメントクラウドファンディングについて調べてみます。自治体関係者の方のヒントになれば幸いです。

自治体が行うガバメントクラウドファンディングとは

GCFとは、ふるさと納税で応援するクラウドファンディングにありますが、自治体が行うクラウドファンディングとなっています。実際にトラストバンクのふるさとチョイスを使うことだけが、GCFではないと思いますが、基本的にクラウドファンディングが個人が募り個人が出資するのでなく、自治体が募り個人が出資出来る(正確にはふるさと納税なので寄付ですが)という形です。

実際に自治体が寄付集めをする時は、自治体発行の広報紙に載せたり、市民に周知して「寄付」を募ることがあるわけですが、主に伝えられる範囲が住民に限られます。一方でクラウドファンディング=インターネットを使う仕組みであれば、現在該当自治体にはいないけれど、応援したいという人に向けてアピールが出来ます。

これ自体はふるさと納税自体と同様のため、GCFの特徴ではないですが、上記サイトにあるように既存のふるさと納税が「もの」ありきだったことを受けて、何をするか「こと」ありきがGCFの特徴といえそうです。

そもそもふるさと納税って

総務省がふるさと納税について背景を書いています。 よくわかる!ふるさと納税に書かれていて全く知らなかったのですが、

「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」

(同上より引用)

となっていて、生まれ育ったふるさとに対して納税出来るということになります。実際に生まれ育った人に納税したい人がどの程度いるかは分かりませんが、生まれ育った土地や町に感謝はしている人は多そうです。ですが、それと納税と結びつくかはかなり疑問です。

そういう背景がありながらも、ふるさと納税が話題になったのは「返礼品」というものです。つまり、「ふるさと納税」自体は上のような納税でなく、「返礼品目当ての納税」となってしまったことです。合理的にいえば、ものがもらえるし、納税もされるので、非常に安価でものが得られることになります。この仕組みがどうかはおいておいて、非常に合理的に使えば経済的にはお得です。

逆に言えば、これはふるさと納税自体が納税したいのでなく、あくまで返礼品などのお得感でしか機能しないともいえます。これが言い過ぎであるかどうかは、GCFでの「使いみち」を選ぶふるさと納税がどれくらい機能するかで検討出来るでしょう。ただGCFも返礼品があるものも多く、なかなか比較検討は難しいところでしょう。

総務省は自治体への返礼品の上限を通知

ふるさと納税、返礼上限3割に 総務省が4月通では、強制力はないようですが国が自治体に返礼品は寄付額の3割程度に抑えるように指導していくとあります。通知後、9ヶ月経っていますが現状どうなっているかは分かりません。

ふるさと納税の寄付額などは関連資料として公開されているので興味がある方は見てみるといいでしょう。例えば平成27年度は約1650億円で、平成28年度は約2840億円と増加傾向にあることが分かります。

納税されたお金=税金は、ある種個人が納税先を選べていいのですが、一方で都心→地方という納税ルートになりやすいでしょうから(単純に地方は農産物や返戻品が揃っている。また都心部自治体は少なく、地方の自治体は多いため)それらのバランスなども気になるところですね。

GCFの先には何があるか

自治体が寄付集めをプロジェクト毎で行えるのはグッドかもしれません。一方で多数の自治体がヨーイドンで参加しているわけで、多数のプロジェクトから選ばれるのも至難の業となってきます。これはクラウドファンディングにも言われることですが、クラウドファンディングをするから寄付が得られるのでなく、あくまでプロジェクトへの共感が得られなければ誰もお金を入れてくれません。

自治体では寄付控除+返礼品というメリットがあるものの、これらはふるさと納税と同一ですから、残るはプロジェクトが面白いか、意義があるか、自治体の行う事業が有効かということがシビアに見られることにもなります。事業の性質上個人のクラウドファンディングのように1,2ヶ月でなく、半年近いものも多く、プロジェクトページを見ると2016年から行っているものもあります。

これは自治体間の寄付集め自体も、インターネットやクラウドファンディングという仕組みが構築されたことによる、自治体間の競争となっていることが分かります。返礼品の上限はあるとはいえ、強制力はないですから言葉は悪いですが無視して突っ走る自治体もあれば、平均程度におさえたり、またはGCFでのプロジェクトを重視する自治体も出てきたりと色々な自治体毎の寄付戦略が問われることになりそうです。

おわりに

GCF自体は、結果的に、自治体の寄付集めがインターネット上で出来る。ふるさと納税=寄付なので、ふるさと納税とどう違うかといえば、事業など自治体にやって欲しいことを指定出来るのが特徴といえます。

一方で、インターネットを使って自治体寄付が集められるのであれば、個人寄付などのクラウドファンディングとは違い、寄付調達として割合は低くても影響力が大きいため、より自治体がキャラ立ちするということが起こり得るかもしれません(ユニークなプロジェクトを掲げて移住促進をするのはもちろん、既存の自治体ではやれなかったことをやっていくなど)。

今回は以上です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

名古屋の不動産市場を知る

日本ランドエンジニアリング株式会社では、数年に一度のペースで、名古屋中心部エリアの不動産状況を調べています。2017年度は変貌する名古屋5(2017年6月作成)を発行致しました。名古屋の不動産市場を見るデータとしてご活用頂ければ幸いです。

名古屋中心部エリアの調査レポートです。表紙、裏表紙込みで全体で12ページとなっています。配布ファイルはPDF(約2.5MB)で、データファイルはA3サイズですが、A4の縮小印刷でも可読可能です。

レポート内容は、

1.建物の主たる利用別用途図(P.2-3)

2.建築中および5年以内に新築・建て替えられた建物(P.4-5)

3.既存および建築中ホテル(P.6-7)

4.所有権の異動(売買および相続)(P.8-9)

5.投資法人が所有する建物(P.10)

6.名古屋市中心部の状況(P.11)

となっています。

PDFデータをご希望の方は、変貌する名古屋(別サイト)にてダウンロードをお願い致します。

空き家の教科書では、次の一手や戦略が立てられるようになると考え、本資料を配布しております。

詳細を確認する

RSSでもご購読できます。