異世代シェア居住について調べてみた

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異世代シェア居住という見慣れぬ言葉を見つけました。78歳と21歳のシェア居住 西宮で1週間の実験を参考に、異世代シェア居住について考えてみます。

シェア居住は何の空き家問題を解決するのか?

根本的には、高齢者世帯と若者世帯、どちらも単身者が一緒に住む場合、それぞれ賃貸や持ち家などの家があると1戸が空き家になってしまいます。

そういう意味では、単純に空き家に誰かが住むことでは「空き家」がなくなることはないだろうと考えられます。

一方、住むとは常にそこにいることか?という定義の問題も出てきます。働きに出る場合は外に出かけるのですから、在宅してないのが普通です。例えば、平日はシェア居住をし、休日は自分の家に戻るなどのライフスタイルもありえます。

しかしこれも家賃等が同レベルで下がることなしに出来ないでしょう。少なくとも、どちらかが無料レベルで借りられるか、半額程度になるか、または家賃ではない対価で補う仕掛けが必要になります。

そういう意味でいけば、
・空き家等で使える物件に入居したい(現在は家族同居など世帯に属している)
・そういう人が新居として「空き家」で入居する
というケースになります。

これらのニーズがどれくらいあるかは分かりませんが、「新居」よりも「空き家」がいいとなると、値段が安いとか、シェアすることでメリット(料理や洗濯等の家事のシェア)、また家計自体もシェアするので一人より効率的、防犯上のメリットなどがっと考えるとありそうです。

もっといえば、そういうメリットが訴求されていなければ、空き家シェア、またはシェア居住というのは形にするのは難しいだろうと、記事を読んで思いました。

空き家問題は大きな問題で複雑化していますが、今回の異世代シェア居住については、上のような若い世代が空き家物件に入ってもいい、それは何かしらメリットが得られる人向けとなります。

異世代シェア居住はどのようなものか?

異世代シェアの定義ではありませんが、基本的に家を共有し、二人以上で住む形です。異世代とあるのは、同世代ではない、世代の定義もありますが、基本的に10歳以上異なる、概ね20年程度年齢に差があれば「世代は異なる」かなと考えられます。そういう意味で学生=20歳前後と、シニア=60歳以上というのは大きな異世代といえそうですね。

記事には概要が書かれているだけですので、調べてみると、Facebookページが公開されていました。こちらはFacebookユーザーでなくても閲覧可能です。

【鳴尾東】高齢者×大学生 異世代シェア居住プロジェクト

新聞記事によればプロジェクト自体は2017年8月から始まったとあり、Facebookページは9月から投稿が始まっています。ページ自体は研究やプロジェクトというと固いと思われるかもしれませんが、大学生視点で柔らかい投稿が多くあり、簡単に読めます。

高齢者が多く集まる夕食会に参加し、候補者の方と親睦を深め交流しつつ、ミーティングから具体的なシェア居住の日取りを決めていく過程が垣間見えます。

ただ遊びではなく研究なので、
・実施前、実施後のインタビュー方法
・そのインタビューの内容
・生活風景の記録の仕方
など、当然仮説が提示されその結果検証がされることになります。

シェア居住自体は一週間と短期です。現在シェア居住は進行形ですが今後終わった後に簡単にどこかで取り組みがまとめられると嬉しいですね。

想像できるものとしては、
・高齢者側の知恵と経験を伝える。具体的には料理や家事等の知恵
・若者側はITやパソコン、体力がいることや苦手なことのサポート
などでわりとお互いが出来る出来ないことをカバーしあうことで、得られるものは多そうです。一方でこれは、短期なので長期で出来るのか。または断続的に何度も行うと良いのか、やり方は色々ありそうですね。

異世代シェア居住の課題は何か

シニアと若者の異世代シェアハウス 長続きする条件

この記事によれば、
・成功例としては福井大の学生とシニアのシェア。2ヶ月経っても良好な関係。お互いの役割分担が適度に。
・失敗例としては、児童養護施設退所者の若者6人とシニア一人でシニア側に面倒を全て依存してしまう。
・他には、主婦と学生のシェアでおすそ分けなどの料理づくりで主婦側が疲れてしまった
ということが書かれています。

また、長続きの条件として、多世代居住の事例をあげ、そこでは、プライバシー配慮のために独立した住戸が必須であること、またコモンミールという夕食を月1回は原則で作りみんなで食べることが大事とあります。

上の失敗例はさすがに6人は辛いという感じですね。寮母さんみたいになりそうです。また学生と主婦の例では、多分気遣いが裏目に出たパターンですね。シェアする場合、その人の考え方や生活スタイルを明示したり、少なくとも「阿吽の呼吸」では無理なので、ルールになるのか、話し合いなのかが必須となります。

ここで当然、異世代シェアでなくても、普通の同世代シェアでも同じく、生活がうまく噛み合うか。そこが大事になりそうですね。

課題としては、やはり異世代に限らず、シェアする場合に人同士のため、ライフスタイルで噛み合うかどうか。同時に異世代シェアの場合は、ライフスタイルが異なるという確率が高いため、お互いをケアする話し合いの場やご飯を食べて話すなどが有効になりえそうですね。

おわりに

異世代シェア居住は、フランスで成功例があったりするようで、日本でうまくなじませられるかは分かりません。一方で、家族が核家族化し、単身世帯が増え、空室や空き家が多くなっている時代には、セーフティー居住などもありますし、様々な施策や活動が出て来る気がします。異世代シェア居住もその一つとなりえると考えられます。

ここまでいくと、空き家を減らすという単一視点でなく、社会の人口構造やそれぞれの世代が課題と感じること、または同居することでお互いのメリットになったり、コミュニティとしての新しい形も生まれてきそうです。例えばそういった多世代居住で生まれ育った子どもが大人になる時、日本の住居や家族のあり方も、大分多様化しているかもしれません。

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2.建築中および5年以内に新築・建て替えられた建物(P.4-5)

3.既存および建築中ホテル(P.6-7)

4.所有権の異動(売買および相続)(P.8-9)

5.投資法人が所有する建物(P.10)

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