空き家の発生を抑制するための特例措置が2016年4月1日から適用開始

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譲渡所得の減税処置ということでちらちら見ていたのですが、突っ込んで調べたことがなく、スルーしておりました。

今回、国交省のサイトで確認したのですが、今年2016年の四月から適用開始されています。なお、相続開始期間は2013年1月2日からとなっていますので、対象になる方はチェックすべきです。ただ各種条件があるのでそのあたりに注意というところですね。

空き家の発生を抑制するための特例措置とは?

国交省サイトで確認していきましょう。空き家の発生を抑制するための特例措置に書かれている内容は、

相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、当該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む。)又は取壊し後の土地を譲渡した場合には、当該家屋又は土地の譲渡所得から3,000万円を特別控除します。

と概要が書かれているんですが、これを見て一瞬で、空き家対策かーという人は相当読み慣れている人だと思います。これだけ見ても何かよく分からないですよね。

パワーポイントの詳細資料も上のサイトにありますが、念のためこちらからもリンクを貼っておきます。

空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)について(PDF)

5ページなので、ざっと見ることは出来ると思います。

空き家対策になっているポイントは?

実家の親などが住んでいた家がなくなり、相続。その後空き家となって放置というのが多いと想定されます。それらに対して適用していくということですね。ただし、家屋は新耐震基準にリフォームにして売却、または家屋を取り壊して売却というのが条件ですね。要するに、空き家家屋がボロボロのまま売るとかは結局使えないから空き家化するのでそうでなく使える状態にしてねってことなんでしょう。

こういう税制優遇を行うことで、該当する人達が動く可能性は高いですよね。適用期間は、2020年12月31日までで、ざっくり4年半までということですね。

適応条件は?

この優遇措置を受けられる条件は何かを確認していきましょう。以下7つあります。

1.相続発生日からの適応期間を確認する

PDF資料では、

【例】平成25年1月2日に相続が発生した場合
→ 本特例の対象となる譲渡期間
:平成28年4月1日~平成28年12月31日

となっています。期間が短いですね。今年の4月1日以降であれば、適応期間ほぼ4年半ありますが、以降適用期間は固定なため、当たり前ですが、相続開始日からすぐに譲渡しないと適応されないわけですね。ざっくり3年くらいというところですが、上の例でいえば1年もないため、ざっくりという感覚よりも、相続開始日によって全然異なります。

2.家屋の要件1:相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものであること

要は亡くなった方ですね、被相続人が住んでいる用途で使っていたということですね。仮に実家の親が亡くなって相続という場合に、多くはこれは該当するわけですが、居住用ではないケースがどういうものか、例えば店舗兼住居みたいな商店街にあるような1Fが店舗で2Fが住居という場合はどうなんでしょうか?この措置は適用されないかもしれませんね。

3.家屋の要件2:相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかったものであること

両親、つまり父と母が住んでいた場合、被相続人が父だった場合、母が同居している、二人住居だったら駄目ということでしょうか?「空き家を売った場合の譲渡所得の特別控除の創設(案)」のサイトでは、同居人がいた場合は立法趣旨に合わないとあります。同居人がいる場合は、「現行制度にある居住用資産の特別控除」を受けることが出来るそうです。ですが、取得時より売却価格が上がるケースって結構な立地や価値がないとならなさそうなのであまり適用しづらいのかなということを思います。

4.家屋の要件3:昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物を除く。)であること

この日付は仕事柄覚えてしまったわけですが、旧耐震基準の家屋ということです。つまり、1981年5月31日年以前の建物は旧耐震基準、たしか震度5程度だったと思いますが耐えうる設定となっています。35年経過の物件なのでそこそこの古さはありますね。そして家屋は、区分所有建物は駄目なので、分譲マンション等で区分所有してたら駄目ということですね。

5.相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと

相続から譲渡までは空いているということですね。うっかり住んでたらアウトということですねー。確かに空き家ですからね。

ややくどいですが、資料には注意書きとして、、

(※ 相続した家屋を取り壊して土地のみを譲渡する場合には、取り壊した家屋について相続の時から当該取壊しの時まで事業の、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと、かつ、土地について相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと)

とあります。取り壊す場合の家屋についても、土地についても同様の縛りがあるよと、空き家だけど土地だけ貸すとか、そんなことできるか分かりませんが、全部同じように事業や貸し付け、居住がないことが条件ということですね。

6.譲渡価額が1億円以下

譲渡する価格が1億円を超えるなら駄目ということですが、それほど高く売れるのは相当の場所なので、高く売れるから駄目というのはあまりないかなと思います。

7.家屋を譲渡する場合(その敷地の用に供されている土地等も併せて譲渡する場合も含む。)、当該譲渡時において、当該家屋が現行の耐震基準に適合するものであること

現行の耐震基準とは、新耐震基準であり、35年以上前の家屋ですからリフォーム等をして耐震対応してから売却してねということです。

 

資料にある具体例

<前提条件>
・昭和55年建築 ・除却費200万円
・被相続人が20年間所有 ・取得価額不明

【具体例】相続した家屋を取り壊して、取壊し後の土地を500万円で譲渡した場合
○本特例を適用する場合の所得税・個人住民税額 : 0円
( 500万円 - 500万円 × 5% - 200万円 - 3,000万円 ) × 20% = 0円
○本特例がない場合の所得税・個人住民税額 : 55万円
( 500万円 - 500万円 × 5% - 200万円 ) × 20% = 55万円

となっています。昭和55年の家屋は価値がほとんどないかもしれません。そして取り壊しで200万かかった。土地は500万で売れた(田舎の土地であれば大きくても売れない気がします)場合ですね。取得価額とは、家屋の購入費用や購入手数料などのことですが、当然昭和55年時点で3000万で買った家が37年ほどたって3000万の価値ではありません。

譲渡所得の計算が国税庁のタックスアンサーにあります。そこにあるのは、取得費について、

(1) 取得費とは、売った土地や建物を買い入れたときの購入代金や、購入手数料などの資産の取得に要した金額に、その後支出した改良費、設備費を加えた合計額をいいます。
なお、建物の取得費は、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。また、土地や建物の取得費が分からなかったり、実際の取得費が譲渡価額の5%よりも少ないときは、譲渡価額の5%を取得費(概算取得費)とすることができます。

後半にある、減価償却費相当額を差し引くとあるので、まあ減価償却という考え方を適用する必要があるわけですね。3000万であれば、5%であれば、150万の取得費用になりますね。

上の例にあるように個人住民税が55万が0円になっているのはやはり大きいですよね。

まとめ

空き家対策の優遇措置ということで、譲渡所得の控除があるということでしたが、うまく相続された空き家を適用して、税負担を減らしつつ、空き家を減らしていけるといいですね。もちろんこれらの詳細な話は専門家等にお尋ねしたり確認してもらうことは言うまでもありません。

 

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