2014年度の住宅再建築率は9.1%。空き家放置の裏付け。

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住宅の再建築率が9.1%。あまり聞かない言葉なので、国交省の発表資料を調べてみました。

過去30年で再建築率は約14%減った

人口減だけじゃない 空き家生むもう一つの問題点の日経記事では、再建築率の低さを指摘しており、2014年度で9.1%という率になっています。あえて再建築率という割合に目を向けなくても、新築着工戸数という建物が新規に建つ戸数は、国交省資料住宅着工統計による再建築状況の概要(平成26年度分)によると1988年度で約160万戸あったものが、2014年度で約88万戸と半減。これでもまだ多いというところですね。そもそも新築が多すぎるという指摘はあるので、改めて視点として面白いかは見方次第となりそうです。

ちなみに、1988年度の再建築戸数は約37万。再建築率は約23%でした。10に2つは再建築されていたというのも別に高くはないかもしれません。2014年では、再建築戸数は約8万。率が先ほどにもありましたが、9.1%ということですね。

28年経過、つまり約30年ですが、時代の経過と共に、新築として作るものが半減した。ただ、再建築戸数が約37万から8万程度に落ちてしまったので、再建築率も半分以下になってしまったというわけですね。

ここで再建築率を高める、つまり再建築数を増やすというのは、解体した家の土地にまた何か建てるということになるわけですが、新築好きでも既に建っているものを壊して作るといういわば制約や縛りになっていくと大きく変わるかもしれませんね。例えばどうしても新築がいいなら、解体して建てる。中古でもいいなら、リフォーム等をして住む。それが持ち家か賃貸かの所有形態までは分かりませんが、そんなことを思いました。

空き家所有者は住宅を放置したいわけではない

一方で空き家所有者は積極的に放置したいのかというと、多くはそうではないと考えられます。むしろ、放置という状態になってしまっているというのが正しいような気がします。

空き家所有者にとっては、解体するか、売るか、貸すかなど選択肢はそれほどありません。行動できる選択は少ないということです。解体の場合に、お金がないのであれば、解体ローンまたは解体助成金などが受けられるわけですが、積極的にやろうという気分のものではないでしょう。少なくとも私が所有者ならそう思います。

要は、自分の所有物、それは手持ちの荷物ではなく、大きな大きな荷物なわけです。それ故の「不動」産なわけでしょうが、それを解体するといういわば撤退において費用が発生する。それはマイナスの感情になってしまうわけですね。

それをカバーできるかどうか。つまり、解体してその後使うイメージがあるとか、使ってもらうイメージがわくなど、今後の戦略や計画、方針があるかどうかですね。短期的に空き家をどうするかというアクションはするかしないか、またはそのままという思考停止も出来ます。しかし長期的に見れば、それらが良くも悪くも判断をしないことが大きなツケとなってしまうわけですね。

これらは空き家に限らず、課題を放置しておいたら大きなツケになってしまうパターンです。

今後は新築規制法でも出来るかもしれない

冒頭の日経の記事では、日本大学の教授が10年後の着工数は現在の3分の2から半分程度、つまり、今88万なので、ざっくり45万~60万程度が妥当ではないかというコメントがあります。実際に妥当な新築数とはどう算出すればいいかは分かりませんが、少なくとも新築を減らし、可能ならその新築も再建築する(つまり解体したところに新築を建てる)のであれば、戸数は増えないはずです。とはいえ、集合住宅などで戸数が増えると意味がないので、集合住宅も規制されるようになるかもしれません。

おそらく野放しというと言い方は悪いのですが、現状では作り過ぎと分かっていても作ってしまう。それはおそらく後先を考えずにという今が良ければとなります。住宅自体が食べ物のようにすぐ腐るとか、消えていくものとか、まあ無駄に作れということではないのですが、そういうものではないから課題なんですね。とはいえ、国に任せておけばいいといういいわけでもないので、アイデアが必要ですね。

国交省の住生活基本計画というものがあり、そこでは初めてのようですが、空き家に関する目標値を設定。2013年度の住宅土地統計調査でその他の空き家が約320万あったわけですが、全く何もせずにいくと2023年つまり、7年後ですが約500万になるのを、約400万戸にして100万戸抑制するというのがあります。7年後なので遠すぎる未来ではないですが、空き家の抑制では可愛すぎるところがありますね。同時に、何もせずにすると500万→400万というのも、何かして400万で、さらにして、300万とかそれが出来るかはおいておいて、そのくらいのプランが欲しいですね。

この基本計画は目標6というところで、空き家についての基本的な施策があったので、また記事にしてみようと思います。

おわりに

空き家というのは、不動産であり、住宅であり、持ち家であれば個人にとっては大きな買い物であり、一方で廃墟になれば厄介な課題の温床になります。また空き家ではない新築時には経済効果が大きいということもあるので景気政策として扱いやすいのかもしれません。

空き家を通して本当に社会が見えてくるということを感じています。これで全て分かるということもありませんが、空き家の教科書を通して少しでも「空き家」が単なる個人の所有物で終わらないこと、社会と関わっていることをお伝え出来れば嬉しいです。

 

 

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