湘南Vacationプロジェクトは空き家をホテルにして地元課題を解決する

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空き家の活用例はたくさんあると思いますが、一方でどこにでもある活用をしてもピンとこないものになります。要は商品価値を高めるという視点が、空き家活用でも大事というところですね。今回は、1日1組限定という貸別荘 VACATION+ZUSHI GUESTHOUSEから考えてみたいと思います。

湘南の空き家を活用するプロジェクト

「湘南 Vacation + PJ( Vacation + PJ(湘南バケーションプラスプロジェクト)」始動というプレスリリースによれば、2016年4月に開業した不動産会社である株式会社UNIQUE HOMESが始めたプロジェクトがあります。

プロジェクトの一つとして、まずは空き家をホテルにしていくという流れですね。このプロジェクトは、今後観光客が増加し、ホテル需要も増える中、ホテルがあったほうがいいが、その負債として残ったレガシー活用がないと作れないという地元のジレンマから立ち上がったようです。確かに、鎌倉という地域に限らず、こういった「人を呼びたいし、観光は歓迎したい」が「投資したものが使われていく」ことを考えると、かなり消極的になりそうです。どこでも同じジレンマを抱えてしまいそうです。

同リリースでは、「“湘南に住まうように泊まる”宿泊施設の運営」と「“湘南の生活体験“」ということが大きな特徴となります。非日常感や高級感でなく、地元の生活を堪能できるということですね。

本プロジェクトの3つの企画ポイント

同リリースの最後に、不動産のエコシステムということが書かれています。

企画のポイントを整理すると、以下になります。

「プロジェクトに関わる人全員を笑顔にする」ということで、全てのプレイヤーにメリットをもたらします。

1.空き家を宿泊施設にすることで、宿泊者(お客さん)は湘南の地元体験が味わえる

これは例えば、地元にあるお店や市場で食材を買って、キッチンで料理して味わう。朝から浜辺を散歩したり、ジョギングしたり、マリンスポーツやBBQを楽しむということになります。これによって、お客さんは普段の湘南を体験したいとか、そういう体験を価値とする人にとってはメリットとなります。これでお客さんが笑顔になるわけですね。

2.空き家所有者には通常の賃貸より高収益を生み、丁寧な掃除で物件の維持が出来る

空き家自体を改装して、通常の住宅でなく、宿泊施設とすることでより高い収益を上げられるということですね。同時に使ったら掃除もするので、良い状態を維持できるということです。これはもちろん空き家を改装すれば一定の収益を期待するからこそするわけですが、通常より儲かると聞いて嫌がる人はいないでしょう。これで、所有者が笑顔になる。

3.既存の空き家を使うことで、景観が維持でき、地域コミュニティが活性化する

新設することで空き家問題や、地元住民のジレンマがあるのでそれらを回避する。その上で、当然施設が出来るので、お客さんが町を歩いたり、交流したり、地元が好きになったり、お店が賑わったりということで、循環するということですね。これで、地元住民も笑顔になる。

この3つがこのプロジェクトのポイントとなりそうです。逆にいえば、一つでもかけると回らないともいえそうです。例えば、2の所有者だけがメリットがある場合は、それだけで終わるはずです。誰もその施設やホテルに協力しないのでは本末転倒です。1だけでも単にお客さんしか見なければ3の活性化につながりづらい。例えばホテルと観光地スポットだけとなり得ます。もちろんお客さんの満足度が高くなければ駄目なのは確かです。

ホテルの料金

宿泊例が出ていますのでそちらを見てみましょう。3泊4日で5名様利用で、約9万円です。一名あたり約6,000円で貸し切りで楽しめます。どちらかというと、これくらいの規模や家族や友達などでいくと最も楽しめる気がしました。1組は6名様までなので、その点は注意が必要です。

空き家の活用には企画が必要

この湘南の取り組みから、湘南という地域や地元を捉えた、地場のプロジェクトでありますが、そもそもなぜこのプロジェクトをやられているか。とらえ方によっては、不動産屋が自分のビジネスのためにとも捉えられがちです。一方で、町の不動産屋さんに限らず、地元密着の商売は地元の人を考えたり、地元社会を意識しないと当然生き残れません。

代表の阿部さんが書いているブログだと思われますが、湘南Vacation + PJ 空き家ホテルができるまで の構想・妄想・アイディアの欠片「湘南の空き家をホテルに!」に書かれているのは、プロジェクトをやろうとしてきっかけです。宿泊施設の不足、住民による街作り、空き家問題という3つの要因や課題をどう解決できるか。それが今回のプロジェクトによって解決できるということになります。

空き家問題に詳しくても、湘南を知らなければ出てこない発想です。また湘南を知っていても住民やその地元民でないと街づくりの希薄さ(これは街であればどこでも似たような課題があると思うものの)に気づけません。また不動産屋さんという視点で、本業を活かした、つまり継続するモデルを作れる武器があることも特徴的だといえます。

こういった企画が自治体、地域問わず、チャレンジしていくことが一つの空き家活用だと思います。決して、「空き家」をリノベーション等をするのがゴールではないわけです。それをどう使うかやどう地域にメリットがあるか。そこまで考えていくとしっかりした企画になりますし、また単なる活用アイデアでない企画であり、活性化事業というボリュームで展開も出来そうです。

おわりに

このプロジェクトがうまくいくかはもちろん分かりません。ただ、同じように宿泊施設不足についてはどこでも課題は同じでしょう。同時に既存施設が空き家なら活用したほうがいいに決まっていますが、所有者や所有者の事情や意志もあるのでそのあたりの調整や企画のゴールを共有できるか、熱量を伝えられるかなどもありそうです。

こういった空き家活用のプロジェクト、どんどん生まれてくるといいですね。

 

 

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