相続空き家の管理だけでも大変な時代。どうするかという思考は放棄せず考え抜く。

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空き家を一体どうすればいいか。明確な答えや正解がない中で、様々な課題が出てきています。今回は、相続した空き家をどうすればいいかについてジレンマを見ていきましょう。

空き家の管理をうまいことするアイデアはなかなかないのが実情

空き家のこれから /静岡という毎日新聞のコラム記事では、両親を亡くし相続した実家をどうするかについて書かれています。先回も同じような話があったかなと思います。結局、選択肢はあるけどどうにも気が進まない。そのまま放置しがちということです。

この心理や状況は当事者視点であればなるほどと思えますが、一方でそうでない、つまり他人からみれば「空き家なんとかしてくれよ」となります。それが空き家所有者の多くがとくに何もしていないという結果になっているのかなと思います。これは考えてないというよりも、「考えてみたけどなんともならないなということになってそのままになっている」と考えるのが自然かもしれません。

私の実家も親が亡くなったらどうするか、相続した空き家をどうするかが分からなくても、「考えること自体を放棄する」のは難しそうです。

記事では、実家の管理として庭の草木について指摘しており、管理コストとして時間や労働としてやらなければならない徒労感について言及されています。また築40年であり耐震基準としても新耐震ではないので地震等も不安要因です。それくらいの戸建だと床がきしんだり、色々とガタが来るはずで、メンテナンスをどれくらいお金をかけていたり、手をかけていたかが問われそうです。

妙案ではないですが、草刈りなどをやってもらうなどの代わりに最低限の家賃(固定資産税を賄える金額)をもらい使ってもらうのがいいかもしれませんね。ただその場合、入居者をしっかりと探さないと駄目ですし、何より家賃が安いと仲介業者も家賃ベースで手数料が安くなり見合わないということやらないところが普通かもしれません。逆にそこを攻めるというのも新しいビジネスが出来るかもしれません(最近では低所得者層やシニアや子育て世帯など向けの政策も出てきています)。自分で集客して見込み客に入居してもらい・・・を考えただけで大変なんですが。

特定空き家等は自治体も慎重傾向

何度も言及していますが、行政側は特定空き家に認定して最悪取壊しということまで可能となっています。ただ特定空き家のようにボロボロになるのは年数もかかりますし、何より放置し続ける必要があります。現時点で対応しなければならない空き家はなんとかしたいと行政も考えるわけです。空き家所有者が放置しておけば行政がなんとかするだろうという、フリーライド的な考え方を持つとします。その点は行政も馬鹿ではありませんから、特定空き家の取壊しなど強制執行は数を相当数絞り込むかまたはそうしないようにするということになります。

特措法2年 空き家対策、道半ば 「特定」指定10市町では、茨城県古河市では109件が特定空き家になったそうです。そのうち36件は改善されたものの、他の73件が事情があり対応が厳しいとなっているようです。ひたちなか市では特定空き家とした1件について、代執行をするか財産管理人制度を使うか検討とあります。財産管理人制度を使ってもどちらでも行政負担になるわけですが、代執行後に更地を売却することが出来るかどうかその詳細まで分からないところです。

笠間市では代執行に関して上で書いたように「放置すれば行政がなんとかしてくれる」から「放置する」という流れにもなりかねません。最もその前に、固定資産税等の特例から除外されるので所有者は税金支払いが高くなる確率が高くなるはずです。ですが、それでも取壊し費用が100万はかかることが普通でしょうからそれがないということで仕方なくというケースが多そうです。

特措法ができれば何か進むと感じられたわけですが、これはこれで最終的に誰が取り壊すか、取り壊す場合にお金がかかるというわけで、仕組みはあるけどやりづらい。そんな行政側のジレンマも垣間見えます。

よって慎重にならざるを得ないわけで、同時に全自治体でなく比較的人口が多い20-30万人以上の自治体が特定空き家からの代執行を慎重にやる傾向が強いのではと思います。10万人以下のところでは、そもそも特定空き家以前に空き家数の割合でなく絶対数が少ないため、またあっても費用がかかるため慎重さはさらに増します。またそうならないようにする、という政策や姿勢になるのかなと考える方が自然です。

おわりに

最近見た記事で、91歳おばあちゃんの「失踪・財産消滅事件」戦慄の真相というものがありました。おばあちゃんが男性にお金を騙し取られていたとか、成年後見制度を弁護士が勝手に用いたなど良くわからない部分も多いですが、事実として失踪して福祉施設に入り、認知症の気配がないというところではなんとも不可思議な印象です。成年後見制度と空き家の関係は確かに強いはずで、なぜなら認知症になってしまってから空き家となった家をどうすることも出来ないからです。正確には成年後見制度の上で、家庭裁判所の判断となるはずですが、然るべき条件でないと売れないはずだという認識です。以前本サイトでも空き家所有者の親が認知症になったら成年後見制度で対応できる?ということで調べたものがあります。

シンプルに言えば、人口減少において不動産とくに空き家でニーズがなさそうなエリアでは価格も下落し、賃貸や売買が難しくなるでしょう。もちろんそこで何かしら新規で事業や商売ができれば話は別ですし有効活用が出来る人なら問題ありません。ただ不動産自体は素人が何か簡単に出来るものではないということを踏まえた上で考えることになります。冒頭でもあるように実家一つでさえ管理が大変だというところが実際でしょう。

行政サイドがなんとかしてくれることもあまり期待出来ません。少なくとも行政がなんとかしてくれる視点はやや甘く、もちろん然るべき対応や政策はありなんともできない場合は文字通り頼るべきです。ですが、特定空き家を全部代執行するなどは予算的に無理で、そういったことではない別のやり方を探る必要があります。実際に空き家のマッチング精度を上げれば解決なら話が早いですが、やはり要らないものは要らないしというのが実際ではないかと思っています。

資金力や経済的に乏しい個人であれば選択肢がより狭まります。またある程度余裕があっても空き家をどうするか今後どうなるかを踏まえた上での判断をしないとただのお荷物になってしまいます。実家を潰したくない心情は分かる一方で、同時に故人の思いと現存する自分の哲学をどう照らし合わせていくか。それは特定の答えにならないのですが、結局そこにたどり着くのかなと思います。

今後も情報を追っていきたいと思います。一つでも参考になれば幸いです。

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