入居拒否しない専用住宅制度が生まれるかも

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最近のニュースであったものからのピックアップです。

国交省が高齢者や低所得者、障害者の入居を拒否しない賃貸住宅の登録制度を検討しているそうです。社会的弱者の支援となるので面白い制度ですね。このニュースを見ながら賃貸住宅と入居について考えていきたいと思います。

国交省の社会的弱者支援登録制度

ニュース元は毎日新聞の賃貸住宅 高齢者の入居断りません 登録制度の創設検討からです。

社会的弱者が賃貸住宅で入居拒否されないように、そういった拒否しない物件を登録します。これは大家が行います。入居者はその物件に入居すれば入居で断られるということがありません。大家のメリットはそういった物件登録した物件には、国または地方自治体が改修費などを補助してもらえるという仕組みです。その「専用住宅」自体は、入居者にとっては負担が軽く家賃を低く出来るように補助金が出るというニュアンスです。

今後こういう仕組みが増えていくのは社会的にはプラスですし、税金の良い使い方だと感じます。

実際に社会的弱者は入居拒否されるか

記事によれば、

国交省によると、高齢者や外国人、一定の収入がない人が賃貸物件への入居を断られるケースは後を絶たない。業界団体が14年度に行った調査では、回答した約1800の大家や賃貸業者のうち、約12%が「生活保護受給者は不可」や「単身の高齢者は不可」という条件を設定していたという。

(同上より引用)

とあって、1割近くは事業者が条件としてそもそも断っているということですね。事業者で1割というのは、例えば大手がやっていると影響力は大きいわけですが、ここからはそこまでは不明です。事業者というか大家と賃貸業者とあるのでざっくりはしていますが。

高齢者の入居、「拒否感」7割 家主、滞納や死亡事故懸念というニュースでは、日本賃貸住宅管理協会が実施した加盟管理会社を通じて約27万人の大家にアンケートとあります。拒否感があるという大家が7割、さらに記事には、単身高齢者の入居を拒否するで8.7%、高齢者世帯のみの入居拒否も4.7%(重複回答かは不明です)とあり、概ね拒否条件としている人は1割前後というのは妥当なのかなと思えます。

一方記事は続き、そこで「居住支援協議会」なるものを国交省は行っているようです。これは各地域なのか、協議会があり、住宅確保要配慮者といわれる「低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を育成する家庭その他住宅の確保に特に配慮を要する者」が民間賃貸住宅等への入居を円滑化する活動において国から最大1協議会1,000万円まで補助を出すというもののようです。

視点は異なりますが、行政的には公営住宅、つまり行政が運営する住宅での遺品整理も難しいようで、これは今後ますます拡大していく課題になりそうです。孤独死入居者遺品に苦慮 府内公営住宅という記事では、相続人とも連絡が取れずということで10年以上も保持された部屋というのもあるようです。シビアというか現実的なのは、相続財産管理人を定めてもその報酬が支払えない遺産価値であれば見合わないという見方もあるようです。

空き家活用として制度がはまると面白そう

実際にこの制度は賃貸住宅の話だけに見えますが、記事はこう締めくくっています。

従来、高齢者や低所得者の受け皿となってきた公営住宅は14年の応募倍率が全国平均5・8倍、東京では22・8倍に上る。一方、空き家の戸数は増加傾向にあり、国交省の担当者は「改修費の補助などを契機に空き家活用も図れればいい」としている。

(同上より引用)

つまり、公営住宅の応募倍率は非常に高いわけですね。それくらい公営住宅はニーズがある。例えば、平均5.8倍であれば、公営住宅の現在の数の5.8倍を貸し出せると単純に言えます。そしてそれらはマッチング出来る。

空き家になったものを専用住宅として登録。そうすれば、国と自治体から補助が改修費で出る、また家賃補助も出るので大家も安心して経営が出来るわけです。一方入居者も公営住宅に近いものとして選択肢が増えてセーフティネットが増します。

課題としては、おそらくこういった制度を悪用して貧困ビジネスのように悪い意味で低所得者をもてあそぶということでしょうか。安かろう悪かろうのようなサービスをしたりということですね。そのあたりは慎重に考えていく必要がありそうです。

ちなみに平成25年度の住宅土地統計調査資料では、全国の住宅数はおおよそ約6,000万戸。5,200万戸が居住あり。3,200万が持ち家。借家が1,800万。この借家こそが賃貸住宅の範囲となります。公営住宅は約200万となっています。都市再生機構・公社は約80万。ちなみに民営のアパートマンション等ですが、約1,400万。ざっくりいって、公営住宅は一般のマンションの7分の1となります。また借家全体1,800万のうちの200万はおおよそ一割です。

空き家数としては13.5%として、つまり約820万戸の空き家があるわけですが、そのうちその他の住宅が約320万あるわけです。上の専用住宅向け物件がその他の空き家でマッチしていけば空き家自体の有効活用となりそうです。賃貸用の住宅は単に空室ですから、空室補填であると空き家問題とはまた違ったイメージというか着地は異なりそうです。

おわりに

国交省の新制度検討のニュースから、社会的弱者の入居拒否について、または実際に公営住宅数、どこにマッチしたりすれば資源が無駄にならないか、空き家が活用できるかについて考えてみました。

遺品整理という空き家や相続や高齢社会における課題も浮き彫りになりつつあります。いかに空き家がただの空いた状態という話ではないか、社会問題だなということを痛感するところです。

 

 

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