東京都の空き家相談窓口モデル事業から空き家相談先について考える

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東京都が空き家活用窓口を開設し、ワンストップで柔軟な対応ができる仕組み作りをはじめたそうです。東京都、空き家活用の相談窓口を民間企業と連携して開設という記事を参考にしつつ、何が空き家所有者の課題かについて考えてみます。

空き家相談を最初に誰にするか

現時点で空き家になった場合、相談窓口は意外に限られます。ぱっと思いつくのは、

1.行政、自治体、市区町村の窓口に電話、または直接話す

2.専門家に相談。とりわけ弁護士、税理士等関係があるとか近い知り合いなどへ相談

3.家族(兄弟、子ども等)に相談。

4.民間会社に相談(空き家管理サービス、不動産会社)

5.NPO、まちづくり等の団体などに相談

です。この順はたまたま思いついた順ですが、おそらく人によって順番が異なる、または選択肢として有無が変わってきそうです。

行政窓口は信頼できるが認知が低いかもしれない

1はそもそも住まいの行政にそういうことを相談していいのだとか、苦情を言う場合でも、また悩みごとを話す場合でも若い人だったり、行政サービスに疎いという人は結構億劫なのではないかなと思います。

また今ではかなり柔軟な印象ですが、縦割りが基本なので「空き家」の何を相談したいか。税制なら固定資産税課にいってくださいとか、火災とか防犯的なら安全課とか防犯部門へいってくださいとか、まちづくり的なソフトの話ならまちづくり課へいってくださいとか、たらい回しまたは統一されてないのはありそうです。都市計画課や建築課なども関わったりしそうです。行政側もまとめられないということはありそうです。

とはいえ、中立的であり行政は信頼感は抜群ですね。課題はどこにいったらいいか分からない、そういうことを相談していいか分からない。だからこそ、名古屋市などでも特定空き家の相談がメインなのでしょうが、各区の地域力推進室が窓口として設けられています。

専門家で身近にいる人が詳しいとは限らない

専門家の使い方というのが正しいかなと思います。例えば、税理士の先生にお願いすれば税関系は大丈夫だろうではかなり危ういです。税理士側からすれば、例えば法人でも所得税に詳しいのと、固定資産税に詳しいのではかなり振れ幅があるわけで、どんなことを得意としているかそれを聞いたほうがお互い不幸にならないはずです。

これは依頼者である空き家所有者も、また受ける専門家もお互いにとってのメリットになります。空き家問題でも紛争になってからが強い弁護士と、調停やトラブル前で防ぐ人とでは意味が異なりそうです。

もちろん専門家もスペシャリストなので、どうしても慣れていることは詳しいが他は慣れてないので分からないということがあります。矯正歯科医に虫歯治療を依頼するよりも、虫歯を治すスペシャリストの歯科医に直してもらったほうが安心というか多分コスト的にも時間的にも、治療レベルも違うと思います。逆に虫歯治療がうまい歯科医に矯正をお願いするのも辛いわけですね。

専門家はプロであるからこそ、どう使うか。そこが鍵だと思います。そういう意味で、専門家を選別するというか、どういう人と付き合うかによりそうです。知り合いだからといって正しいかどうかも分かりませんし、そこは信頼ということになりますが、このあたりは「先生」を信じすぎない、または信頼出来る人を探すことを「諦めない」のが大事だなと感じる所です。

家族に相談しても解決しづらい

家族に相談して解決する問題もあるかもしれませんが、やはり専門家や行政や違う第三者の意見は欲しいところです。私ならそうします。家族会議を開いてまとめたものや考え方を共有して、それから他の人の意見を聞く。

第三者といえど、利害が絡めば、民間企業であれば自社サービスを使うべきだとなりやすいですし、行政は面倒なことはやってくれないかもしれません。専門家も報酬が少なければ動きが鈍いのかもしれませんし、このあたりは考えればキリがありません。

家族で話し合える関係づくりとは簡単に言えるのですが、お金、財産、不動産など家族でも言えるかどうか、相続などでは隠し財産があったとかよく出てくる話題ですね。毎日お金の話をするわけではないので、大事なタイミングでは話せる家族関係が大事ということになりそうです。

民間会社は身内ではなく、NPOは認知が低すぎる

空き家管理サービスなどは維持にはなりますが、そのサービスから空き家の処分や売却や賃貸などの話につながっていけば良さそうです。ただ管理サービス自体はその管理業で収益をあげようとすると、かなり労働集約型なので、会社の体力やサービスの品質などで継続がかかってきそうです。信頼できる会社を探すのが大変かもしれません。

NPOやまちづくり系はソフト面では企画が面白い面もありますが、実現の段階ではしっかりとした企画が出来ないケースも多そうです。資金、人など経営的にがっちり出来るところはほとんどないかなと思います。もちろんまちづくり会社とか、がっちりした基板がある法人がNPOをつくるとかは別です。

モデル事業の開設は「情報不足」だと推測

同記事では、こうあります。

こうした中で東京都は、空き家所有者の課題は第一に「情報の不足」であると分析し、「どこに相談したら良いか」「どんな活用方法があるか」「再生や活用に費用がどれくらいかかるのか」といったことが分からないまま、手を付けられずにいると推測。そこで今回、ワンストップ型の相談窓口を開設し、立地や家屋の状態に応じた活用方法、税金や法律など専門的な分野で助言を得られる仕組みをつくった。

(同上より引用)

情報については確かに上でどこに相談するかを考えたらあまり選択肢がない、またはあってもそこに相談していいかが分からない。またどう使えばいいかが分からない。

そんな感覚があるのは当然かもしれません。空き家を個人で何度も利活用しましたなんていう経験値がある人は稀ですから、経験値が高い人に相談したり、全体が見える人にアドバイスを求めるわけですね。

とはいえ、ワンストップ型、つまりそこにいけば概ね解決できるわけですが、このワンストップ型の相談窓口も認知が広がらないと効果は出ないということになります。

モデル事業とは試しにやってみてうまくいけば横展開するというようなものだと思います。都内で11万の長期不在の空き家で、かつ半数以上は相続がきっかけということなので、相続前というと亡くなることを予期してとんでもないという方もいるかもしれませんが、相続後=亡くなった後では遅いので、事が起こる前にという視点が大事になりそうです。

モデル事業者が行う事業内容はこちら

東京都の発表として、平成28年度東京都相続空家等の利活用円滑化モデル事業 事業者の決定及び相談窓口の開設予定についてにありますが、

1.空き家利活用の相談窓口の設置と相談
>空き家の利活用についての無料のワンストップ相談窓口の設置

>相談者へ相続や売却、賃貸、管理の情報提供及び収支の試算
(子育て支援施設や地域の集会所等の公的な利活用に関する情報を含む)

>専門家や協力事業者との連携・協力

>解決策提案後の相談者に対するフォローアップ

2.空き家の活用事例等の収集・整理と報告

3.本事業に関する広報活動

とあります。1は既に実績ある事業者なので、そこの支店や営業所を使うことで有効利用ですね。そこをワンストップ窓口とするわけですね。フォローアップもどういう形をするといいのか、ノウハウが共有されるといいですね。

2はおてのものでしょう。3は、空き家啓蒙では、空家・空地管理センターも負けてはいないですが、民間の電鉄会社や不動産会社として、東急電鉄やミサワホームが広げてくれることを都は期待しているような気がしますね。

12月1日よりすでに開始されているので東京エリアに方は相談してみるといいかもしれません。また別紙PDFで書かれていて見逃しそうでしたが、モデル事業自体は平成29年度末、つまり、1年3ヶ月行って、それと都がとりまとめて、都民や区市町村に展開するようです。少し先ですが、こういう取り組み自体はグッドだなと感じました。

連携から見えてくる課題やメリットデメリット、相談者件数等から色々と見えてきそうです。また情報を追っていきたいと思いました。

おわりに

今回は、東京都の空き家窓口設置モデル事業のニュースから考えてみました。ワンストップ窓口自体は設置は出来るとは思いますが、例えば専門家が相談に乗るならビジネスですので無料だけでは厳しく彼らには報酬やお客さんになる見込みがあるからやるわけです。

そのあたりの関係者のメリットがどう出せるか、そしてかつ継続できるかというのがある程度出来れば嬉しいですね。

 

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