豊島区の空き家活用条例は空き家のシェアハウス活用を促進する

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東京都豊島区の空き家活用条例が面白そうです。日経記事空き家をシェアハウスに 東京・豊島が条例案を見ていきましょう。

豊島区の空き家活用条例とは

使えそうな空き家をシェアハウスとしたくても建築基準法で「寄宿舎」となり追加投資が数百万円かかるため、シェアハウス運営を諦めるオーナーも多いようです。そこで、用途変更せずつまりそのまま文字通り使えないだろうか。そのための仕組みづくりとして、条例づくりが進められているようです。

豊島区空家活用条例(骨子案)に対するパブリックコメントが10月20日までで終わっており、それらを踏まえての議会へ提出だと考えられます。NPO法人まちぽっとの豊島区が豊島区空家活用条例(骨子案)についてパブリックコメント中では、骨子案が書かれており参考になります。

日経記事によれば、条例に盛り込まれたのは、

  • 入居者全員が連名オーナーと契約すること
  • 入居者全員が家賃滞納の連帯責任を負うこと
  • 入居者全員が親族関係にはないこと
  • 原則として居住者数は居室数を超えないこと
  • 戸建だけでなく、賃貸マンション等も対象であること
  • 申請は空き家オーナーが豊島区に提出
  • 審議会(有識者等で構成)が認めれば認定証を交付
  • シェアハウスに認定証を目視出来る場所に掲げること

というものがポイントになるようです。

家族のように使えばいいというのはなるほどと思いますし、区が想定するのはシングルマザーが子育てを助け合うなどのようです。ただ、家賃滞納の連帯責任を負うのは入居者同士がそもそも親族ではない友人等の関係性がなければ現実的ではないと考えられます。

そもそも民間のシェアハウスは、一人ぼっちでは少し困るのである程度生活スタイルまたは目指すことが似ている共通項がありそこで「一定の交流が何かしらある」からこそ、入居される方が多いと思います。そしてそれらは当然管理会社と個人契約であり、家賃滞納などの連帯責任はないはずです。

また、さらりと書かれていますが「高齢者と学生の同居」も一瞬良くわからなかったのですがよく考えるとこれらは、行政側がやるよりもNPOなどがやりたいけど出来ない現状の打開という感じも受けました。つまり、空き家もある、NPOで例えばシングルマザー向けの活動や空き家活用としてのシェアハウスを使いたい、というリソースも人もいるのに、空き家がそのまま使えないために出来ないという点です。そこで、条例を変更することで、現状の課題を解決し、空き家をそのまま使うためにシェアハウス化ができるということになります。

このシェアハウス入居の対象者は

ここまで考えると、記事にも書かれていますが、シェアハウス条例の対象入居者は、経済的に生活が苦しい人(シングルマザーや高齢単身者で所得が低い方)、または学生などで学費支払いのため家賃を出来るだけ少なくしたい方などになるかなと思います。これはいいのですが、とはいえそれらの低所得者に家賃滞納連帯責任というのはどうなのかという気がします。

実際に先行して、都市再生機構の賃貸住宅ではシェア居住は試みられていることです。これは初耳なので調べると、要するにルームシェア(URではハウスシェアリングという模様)をすることが出来るよというところです。こちらのUR賃貸住宅の便利な制度にはハウスシェアリングについてこう書かれています。

友人と共同でお住まいいただける住宅があります。「都心の物件に住みたい…でも家賃が高くて無理かな?」という時でも二人で折半できます。

※一緒にお住まいになる方全員が契約名義人となり、一定の収入要件を満たしていただくことになります。

(同上より引用)

当然ですが、契約名義は一人でなく、入居者全員なのでその点は豊島区が盛り込んだところと同一です。言い方の話かもしれませんが、二人で住む場合、それぞれの契約者と保証人がいるのは普通でしょうが、一人が家賃を支払えない場合はもう一人が支払うことになるため、実質連帯責任となると言えそうです。

そういう意味で連帯責任をことさらに強調するのもナンセンスかもしれません。ただ少なくとも関係性がない人と連帯責任はしたくないということは言えそうかなというところなので、その関係性づくりをどういう点で行っていくかな気がしています。

2016年では国交省が条例に待ったをかけていた

国交省、豊島区の条例案に「待った」の中で、国交省から法を超える部分があるという話があり、待ったがかかったということのようです。2014年では愛知県で障がい者グループホームへの転用が認められていることからそういう流れで、豊島区も期待していたというわけですね。その後1年経っての再チャレンジということになります。これについてはまちぽっどの記事でも書かれている通りですね。

条例だけあっても仕方がないので実際には、最近出てきた住宅要配慮者の入居を拒まない登録物件であったり、NPOと連携していく流れであったり、それらが良い形で回っていくことを想定していると考えています。(逆にいえばどこか回らないとスムーズに回らない、関係者が多いためなかなか流れを作るのも大変ということですね)。

おわりに

条例は2018年4月施行ということで今後、要注目な条例となりそうです。空き家特措法と同様、各地の自治体から条例が広がるかもしれません。

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