うるるの空き家バンク運営実態調査レポートが面白い

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空き家バンクは自治体の施策で効果を上げているのは少ないという印象です。空き家バンク自体はかなりやっているところがある程度の認識でしたが、うるるより空き家バンク調査レポートを発見しました。株式会社うるる 空き家手帳事務局 「平成 28 年 空き家バンク運営実態調査」を見ていきたいと思います。

空き家バンク調査概要

まず本調査の概要をみていきましょう。企画、運営、集計まで株式会社うるるが行った者です。対象は空き家バンク運営自治体750に対してネットorFAXで、期間は平成28年9月20日から30日まで。回答自治体数は219自治体(29.2%の回答率)となっています。

3割程度の回答率をどうみるかはありますが、参考にはなるというところでしょうし、また空き家バンクの自治体調査をここまで出来るところは他に知りません。大いに参考にしていきましょう。

調査数字ピックアップ

興味がある方は調査レポートを読んで頂き、ここでは気になったトピックの数字をもってきたいと思います。

空き家バンクの運営期間は平均5年1ヶ月

みなさんどうでしょうか。結構長いという印象です。石川県輪島市が2004年からで最も長いようです。運営を5年やって成果が出るかどうかというところが気になります。

月間の物件登録数は平均1ヶ月0.9件

これは1件もないというところもあるということですし、平均ですが、やはり少ないですね。というよりも、これは空き家バンクというものがあるけど、実質活用がされてないというところかなと思います。

成約率TOP20位と下位20位自治体の周知方法の違い

固定資産税納入通知書に案内同封と、CATV・町内放送となっていますが、ぱっと見では自治体ごとの施策で違いを出す方が難しいという印象です。

運営の悩みは、売り主・貸し主が集まらないこと

これは当たり前といえば当たり前ですが、バンク登録する方がいない、バンク登録物件が集まってこないということです。逆に借り主が集まらないという悩みもあるのですが、それは第二位であり、やはりまずは登録件数ということですね。

今後空き家バンクでの取り組みは周知と登録推進がトップ

今後の取り組みは周知ということでいいのですが、特になし現状通りが2位です。自治体で出来ることはこれがほぼ限界であとは民間でやってくれとは言わないが、そういうことを感じます。ただ、不動産仲介業を営む不動産会社にとってメリットは少なく、またレポートにもありますが登録者は売買して欲しいが、賃貸ニーズが多いというミスマッチも興味深いところですね。

国交省の空き家バンク統一はそこそこ期待している

当たり前ですが国が統一をしても何か「登録者数」が増えるかというと、そう甘くはないですよね。もちろんシステムが整うので職員リソースが増えるかもですが、結局仕組みとはいえシステムが整うとか、情報整理程度なので私が職員であれば期待しないところですしね。

空き家相談で答えられないのは空き家建物の価値等の判断

所有者にその判断が出来ないということです。他にも問題が多様で相談受けても答えられない。職員の受け入れたいが対応できないジレンマや現場の汗を感じます。専門性の高いプロと連携するというのは言うは易くで、これはプロのメリットがないと動かないところです。想いは大事ですが、それ以上にメリットがないと全てボランティアですね。

空き家バンク運営の意見が面白い

これはぜひ気になる方は読んでみて下さい。自治体担当者の生の意見が聴けて面白いです。

空き家数に対する空き家バンクカバー率は0.4%

これはレポートの総評に書かれています。さて、この率は2013年の空き家数820万に対して、今回の自治体バンク登録物件平均数が47.6だったので、それを750自治体運営自治体に換算した場合が35,700件ということからです。

空き家バンクに載ってくる物件はどちらかとうとその他の空き家かなと思ったのですが、それでも、割合が低いのは確かです。その他の住宅という、その他の空き家自体は約320万なので、半分程度になるので、がんばって1%程度でしょうか。

レポートでは、これから登録数が増え、自治体の役割が大きくなっていくという程度になっていますが、立場によりけりですが、1%というのは10%ならまだしもあってないようなものというのが正しいのかなというところです。もちろん自治体差はありますし、自治体毎による切迫感もあるでしょう。

今後これが10倍になるか?というと、非常にしらけた結果になるというのがあくまで予想です。では空き家バンクは無駄かというと、成約もしているのでその分は成果といえます。ただ自治体においては、いわゆるビジネスでいえば投資に対する売上というリターンなどの概念はありません。市民サービスを良くすると税収が上がるとか、税金収益の歳入を上げればいいというわけでもないでしょう。

よって、自治体の空き家バンク制度は一つの切り口程度にはなるものの、過度な期待は出来ないというか、期待をするということではないなと思います。もちろん、移住して買って住みたいという特定の方には刺さる制度であり大いに使うべきだと思います。

一方で、賃貸でそこそこ安く家を借りて住む、みたいなところでは結構ミスマッチであり、ここが衣食住の一つ住の難しさというところがあります。自治体側でもサポートしたいがそこは自治体であり、サポートでありというところでしょう。現状に大きな突破するブレークスルーがないからこそ、こういった民間会社のうるるが暗躍するわけですね。

おわりに

空き家バンクの実態を知る良いレポートだと思いました。あとあまり触れられてないというかレポートの本意ではないのでしょうが、空き家バンクの成果であろう「移住定住の成功」をすると、人が増えます。同時に空き家が減ります。ただ、当然その住民は元の自治体から転出します。すると空き家が増えることになります。

賃貸に住んでいれば空室が、購入物件なら空き家なので売買するか、また対策が必要です。つまり、人の数が絶対的に減るわけなので、自治体間の奪い合いとなります。とはいえ魅力的な制度で呼んでも財源は限られます。また行政は市民の税金が収益です。もちろん国の補助もありますが、自治体運営からみればシビアな時代ですし、消滅していくというのは大げさではないという気がしています。

その中で考えると空き家を自治体レベルで空き家バンクでは空き家活用を打ち出せないのであれば、市民が動いていくしかないというのは一つありそうです。ただその場合も、NPOやボランティアではしんどいので、ビジネスとして回る仕組みを構築すべきというところです。ビジネスが全てとは全く思いませんが、回る仕組みを作ることで、継続できる、それは人、もの、金というところを外さないということです。

また空き家バンクの情報があれば出していきたいと思います。

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