全国版空き家バンクLIFULL HOME’Sがベータ版を開始していたので調べてみた

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国交省が行う全国版の空き家バンク事業者にLIFULLとat homeが選ばれています。その事業者がいつ空き家バンクサービスを始めるか調べていたのですが、既に開始していました。at homeはまだのようですが、LIFULLはサービスを開始していました。今回はその全国版空き家バンクLIFULLについて見ていきましょう。

全国版空き家バンクLIFULL開始

全国版空き家バンクのモデル事業採択よりもニュース記事が少なかった印象です。国交省モデル事業「LIFULL HOME’S空き家バンク」β版サービス開始では、LIFULLが始めたベータ版サービスについて書かれています。

LIFULL HOME’S 空き家バンクを見ると、ベータ版ということなのか、サイトURLもおそらく空き家バンクでフォルダを分けているという簡易な印象です。注意書きとしてヘッダー下部に「自治体が管理している」という点が注記されていますね。

LIFULL HOME’S空き家バンクを見てみる

空き家バンクトップページの情報は非常にシンプルで、「おすすめの空き家情報」「まちの情報から探す」「エリアから探す」「新着情報」「空き家バンクについて」という5コンテンツしかありません。空き家バンクについては、空き家バンクを知らない人向けの概要で固定コンテンツです。新着情報は文字通り掲載情報のお知らせなどです。残り3コンテンツは、空き家バンク情報に関連したものといえるでしょう。

おすすめの空き家情報は随時変わるかもしれませんが、まちの情報から探すとは自治体ごとに紹介ページがありその案内などから探す雰囲気です。奈良県桜井市のページでは誤字を見つけてしまいましたが、まちの情報=自治体の紹介概要のようなもので、特段惹かれるメッセージではないかと思います。もちろん概要は分かるかもしれません。また自治体単位で物件数が分かるので、自治体でどれくらい登録物件があるか、一覧となっているので便利かもしれません。ただ空き家登録物件をLIFULLが代行しているとはいえ、自治体の登録意志や情報提供がなければ増えないでしょうから、この点はやや不安です。

登録物件数

2017年10月11日現在、つまりベータ版開設が9月28日でしたから、概ね二週間程度経っています。自治体数は300や400ほど参加表明をしていたのでもっと盛り上がっているのかなと思っていました。

現在時点で、登録エリア自体が、

  • 北海道・東北エリア(5件)
  • 北陸・甲信越エリア(14件)
  • 近畿エリア(13件)

となっており、全7エリアのうち3エリアしか登録がないところです。またもう少し詳細をいえば、

  • 北海道・東北エリア→秋田県、福島県の2県
  • 北陸・甲信越エリア→山梨県、長野県の2県
  • 近畿エリア→奈良県、大阪府の1県1府

となっており、6都道府県です。都道府県をみれば1割ですが、自治体数が1,700程度あると考えると、少し寂しい数字となっています。

あと気になったのは、自治体の空き家バンクとLIFULLの空き家バンク登録の兼ね合いです。自治体空き家バンク掲載物件を全国版に載せてもいいかという確認をしていると思いますが、その点もデータとしては少なくて傾向は微妙ではあるものの見てみましょう。

  • 秋田県にかほ市 自治体12件、LIFULL2件
  • 福島県伊達市 自治体3件、LIFULL3件
  • 大阪府高石市 自治体11件、LIFULL9件
  • 山梨県甲府市 自治体2件、LIFULL2件
  • 長野県南佐久郡小海町 自治体8件、LIFULL12件
  • 奈良県桜井市 自治体1件、LIFULL1件(2017年9月から空き家バンクの開始)
  • 奈良県吉野郡黒滝村 自治体4件、LIFULL3件

となっていました。長野県小海町は空き家以外では別荘などもあるせいかもっと多いかもしれませんが、空き家と書かれたカテゴリーのみ取ってきました。

これを見ると概ね登録しているが、自治体サイトを見たほうがまだ件数は多い。ただ絶対的な件数は10件程度もあれば多い方という印象となりますよね。仮に自治体数2割程度の340自治体の参加(都市圏を除けば、郊外の都道府県などがメインとなるのが空き家バンクでしょうから)があるとすると、概ね1自治体20件だとしても、6800件程度です。

このマッチングが起きた時にどうLIFULLがビジネスにつなげていくかは注目です。また全国版空き家バンクとなることで、「自治体の空き家バンクを見ることをしなかった」人が見ることで成約率が上がるとか、閲覧数や問い合わせが増えることも期待出来るのでこれは良い結果になるかもしれません。一方で自治体職員や対応人員が増えるわけではないでしょうから、問い合わせが増えたけど例えば冷やかしなどが増えるとまた手間ですので、このあたりは今後運営していく上で課題となってくるのだろうと推測出来ます。

自治体側視点での全国版空き家バンクの課題

国交省では空き家バンクのQAリストが上がっていてそれらを見ることで自治体側の課題が見えてきます。詳細はそちらのリストを見てもらえればいいですが、ざっと気になったところを抜き出してみます。事業者=LIFULLかat homeということです。

  • 空き家バンク情報の入力などは事業者が代行入力を無償で行う
  • 事業者サイトに載るが問い合わせは自治体に直接
  • 次年度以降の費用負担などがあるため、おそらく自治体の費用負担もそのうち出て来る?
  • 自治体ごとの注意事項や条件は、全国版空き家の自治体ページか、自治体サイトに書かれる(結局自治体サイトをしっかり見ないと漏らす可能性は高い)
  • 自治体での空き家バンクサイトがなくても、登録が可能(これにより掘り起こしはありえるし、新規空き家バンク設立が容易になる可能性も)
  • 掲載数が多くなれば埋もれる懸念があるというが、それは検索性の工夫から心配ない(これは微妙。実際はたくさんの自治体の空き家物件があれば自治体などエリアで決めるならともかく、空き家掲載数が多いところを見がちなのかなと思ったり。つまり検索性の工夫でそこまで回避できる課題とは思えない)
  • システムの連動は国交省は検討してないため、しばらくは自治体バンク登録、入力代行依頼により登録というフローが続きそう。民間なら当然システム連携ではお金は発生するはず。
  • 同一物件をLIFULL/at homeに登録できるということで、情報の冗長性は普通に起こりそうです。今後at homeとLIUFLLでどう差異が出るか。そのあたりは楽しみですね。
  • LIFULLもat homeも通常の賃貸物件サイトの中に入るのでなく、別カテゴリというイメージです。ですのでat homeも同様に「空き家バンクサイト」をカテゴリで切ってくるだと思われます。
  • 全国版空き家バンクの事業撤退リスクはほぼなしということで、そもそもどちらの事業者もビジネスチャンスを広げるために手掛けたと考えたと思われます。
  • その他の民間事業者が空き家バンクを手がけるかどうかはその通りで、国交省は2社のみモデル事業者としていますが、参入をしてはいけないとかそういうことでないので、自由競争ですね。ただ検索性、情報発信性などでこの2社と戦おうというのはなかなか厳しいでしょうね。

以上ざっとピックアップしてみました。自治体担当者がどう自治体独自と全国版を活かすかが問われることになりそうです。また、ベータ版運営後の成約数や反響数なども数字で出てくるでしょうし、そのあたりが共有されると面白そうですね。

おわりに

モデル事業者としてはLIFULLが先行し、at homeが出て来ることが期待されます。また情報確認でき次第調べてみようと思います。全国の自治体空き家バンクや空き家対策課など担当者の方は代行入力等も無償のため、空き家物件登録者の承諾があればやってみてはいかがでしょうか。

また空き家など移住をコーディネートしたり、地域に住むということを考えている方は空き家バンクの情報量が増えてくることを期待しつつ、適宜サイトを見るのも良さそうですね。もっともエリアが決まっていれば自治体サイトをいくつか見ればいいため、積極的に使うことはあまりないかもしれません。

 

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