下見予約サービスを元に新たな負動産対策はできないだろうか

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家事代行サービスのCaSy(カジー)がリノベーション物件の下見代行を行うという記事がありました。この仕組みを他の不動産にも適用できるとしたら何か生まれないかということで少し考えてみました。ブレスト感覚でお付き合いください。

家事代行CaSyが下見代行サービスを請け負う

カジーのスタッフ、物件の下見同行請け負うで知りました。プレスリリースを確認すると、

CaSyのプレスリリース:働き方改革を目的に、不動産デベロッパーコスモスイニシアと協業 隙間時間活用の副業として、家事代行スタッフがマンション下見希望者に同行〜多様な働き方を実現し優秀な人材確保を目指す、他社の業務効率化にも貢献〜

かなり細かく書かれていました。

ざっくりしたサービス概要図(筆者作成)

簡単にいえば、CaSyとリノナビが協業することで、リノナビの社員スタッフ等が対応せずとも、CaSy(に登録したスタッフ、とくに主婦層)が下見対応をしてくれるということです。

新サービスとしてリノナビは「マンション下見サービス」をリリースし、リノナビを見たお客は下見が30分単位でフォーム予約のみで完結できる形になっています。

CaSy側もこれにより平日日中というところで仕事をしたいキャストに対して仕事を振る事ができます。

リノナビも下見が気軽にできることで、お客の満足度アップや業務効率化が可能といえそうです。

一方でこの仕組みが成り立つには、上の下見では営業はしないということから、お客が下見だけをして得られるものがあるという点です。

同時に、キャストが動くのでその代行フィーが必要なわけですが、下見が何度もされているが成約に結びつかない、または営業スタッフに質問がないなど購入意志がほとんどないなど成果が見られないと厳しそうです。

また費用的には、下見予約を仮に今まで営業スタッフがやっていたとして、その費用感がAとします。下見スタッフでは当然それより安価と言えますが、何十回はさすがにないと思うので、数回程度の下見が出来る、またはしても一定程度の成約に結びつく、アクションにつながるかが求められます。例えば、3件下見、2件を営業スタッフに問い合わせ、実際に成約みたいな流れか分かりませんが、そういう費用感が見合わなければ継続しづらいといえそうです。

もちろん、そこで成約が一定程度あるとなれば、他社が同様のサービスをしてくるため、下見はどこでも出来るのがスタンダードになって、お客的には良い環境になるかもしれませんが、不動産会社側は更に良いサービスを提供することが求められそうです。

郊外の空き家や負動産にも適用できるかどうか

日中動けるクラウドワーカー(クラウドソーシングサービスに登録するユーザーのこと)を使うことで、仕事を生み出しつつ、依頼会社(ここではリノナビ運営のコスモスイニシア)の業務を効率化することができます。

一方でビジネスにならないような、地方の空き家バンクに登録されていたり、負動産といわれる0円譲渡したい物件にできないものでしょうか?

少し考えてみると分かりますが、仮に下見スタッフが代行しても、そのスタッフ費用がどこでペイできるかです。現状、あえて移動をして郊外にある負動産を対応すればするほど費用が増えるだけで、見合わないはずです。

つまり、依頼会社や該当するサービスが高収益や高単価であったり、業務的に非効率が存在することが必須となりそうです。

人がいるエリアで効率的に回転させる

業務の量を調整して、貯まって一定程度融通を効かせることで、効率化する。そうすれば、できないことも意外にいけるかもしれません。

例えば、御用聞きというサービスは、100円からのお困りごと解決サービスです。5分100円では単価的に無理なのではと思われますが、実際は効率的に回すことで、都度行くのでなく、一気に回ったり、単価の高いサービスの依頼があるようです。

この視点が使えるかどうかです。この場合ある程度、集合住宅(団地等)で人が一定程度集まっていることが条件となります。負動産等は集まっているわけではないでしょうから、これも厳しそうです。

ボランタリーな話になりますが、スタッフが別の仕事で向かうのでそのついでなら対応が出来るというように、「ついで対応」を謳うことで、緊急性や日時指定はできないけれどというサービスは出来るかもしれませんね。

もちろんこの場合「ついで」が発生しないといけないのですが、それがない場合もあるため、のんびりしたサービスとなります。

ただこういう「アソビ」的な視点やアイデアがなければ、現状のまま何も変えずに何かが変わることはなさそうです。

住宅マンションがレンタル倉庫に変わっていた

名古屋市内のある住宅エリアを久しぶりに訪れました。その時気づいたのは、明らかに住宅であるマンションが全てレンタル倉庫となっていたことです。見間違いかもしれませんが。

おそらくマンションニーズも一定程度ありつつも、ものを置きたいニーズもあったのかなと思われます。

なんでも変えればいいわけではないものの、社会のニーズに対して柔軟に対応していく、変化をいとわないという姿勢が大事かもしれません。

マンション家賃よりレンタル倉庫の家賃のほうが当然安くなるはずですが、面積あたりは件数が増えたりするのと、メンテナンス費用がかかりづらいという点で投資効率がどちらか良いかは考え方次第かもしれません。

一般的な不動産仲介サービスの営業が変わる可能性があるか

これは不動産売買の営業コストと仲介の営業コストを比較して、営業スタッフがどこで成約できるか。1件あたりの単価は当然売買でしょうから、仲介では件数が目安かもしれませんね。

つまり、下見をさっと済ませたい場合(VRゴーグルなどでも代替出来る時代になりつつありますが)、実際の場所を見るだけなら営業マンが不要なケースもありえそうです。その場合、アウトソーシング(正確にはクラウドソーシング)で代替できつつ、成果も上がるなら、流れはそのようになっていくと考えられます。

そうなったとき、既存の営業スタイル、つまり下見を一緒にしてそこでヒアリングしていくような形、または車で内覧移動でクロージングをしていくなど、やり方が変わってくるかもしれません。

もちろん、下見として見るべきところは専門性の高さや売買と仲介では異なるでしょうが、仲介ではよりクロージングやコミュニケーションが営業スタッフに求められるようになるかもしれませんね。

新しいサービスによって既存のものが変わることがある

下見予約サービスだけみれば、限定的な売買物件の付加価値アップという形になります。一方で引いてみれば、不動産業界で業務代行や業務効率化が進んでない(と思われる)部分にカジュアルに代替されていく流れがあるかもしれません。もちろん、下見も全て所属スタッフがして欲しいというニーズもあるでしょうが、そうではないケースに対応することでまた変わってきそうです。

変化が生まれるところはチャンスがあります。業務の代行から生まれた余力時間をサービスに投資することでさらにサービスが良くなっていくと面白そうです。

結論的にはタイトルの「負動産対策」は厳しそうですが、こういった代行または業務代替というところで流れが変わっていくことをキャッチアップしても良さそうです。

何かのヒントになれば幸いです。

 

 

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