全国での特定空き家の代執行や略式代執行数

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愛知県の安城市で空き家の撤去ということで、県内初の代執行があるというニュースがありました。

空き家撤去で行政代執行へ 安城市、特措法で県内初

国交省が出しているデータで代執行等の措置についてまとめられている資料があるので、それらを眺めつつ、全国的に代執行等の措置がどの程度行われているか調べてみました。

国交省の全国自治体措置実績を見る

何度も当サイトでは見ていますが、国交省サイトの空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報ページにある「 ■空家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況等について(H30.10.1時点)←12/25up 」が最新のデータです。URLリンク等は変更されることもあるのと、最新版を常に確認してみてください。

また更新されたら記事にアップし直すと思います。

特措法施行後の代執行と略式代執行の数

この資料のP.2に既に求めているデータがあります。つまり、特定空き家に対する代執行・略式代執行の累計値です。資料が平成30年度つまり2018年の10月1日までということだけ留意ください。

空家等対策の推進に関する特別措 置法の施行状況等について (国交省サイトより引用)

赤い枠で囲った数字が求める数tいとなります。つまり、累計で代執行は26自治体、略式代執行は68自治体実績があることになります。

代執行の実績がある自治体

資料のP.11に代執行の実績として、市区町村名と件数が書かれています。H27からH30までを足すと29件となります。自治体数は26でしたね。

空家等対策の推進に関する特別措 置法の施行状況等について (国交省サイトより引用)

詳細は上のデータを見てもらえればとなりますが、都道府県レベルでいけば、北海道、秋田、山形、茨城、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、石川、三重、大阪、兵庫、山口、福岡、鹿児島となっています。確かに2018年10月1日時点では愛知県はなかったということですね。また東海エリアでいえば、岐阜県もないですね。

略式代執行の実績がある自治体

空家等対策の推進に関する特別措 置法の施行状況等について (国交省サイトより引用)

こちらは略式代執行の実績です。多いのでこちらは羅列は省略しますが、東海エリアでいえば、岐阜、静岡、愛知などは実績がありますね。愛知県内では既に瀬戸市が平成29年に略式代執行の実績があるということです。

参照元の記事では、「行政代執行」と書かれており、「略式代執行」ではありません。これらの違いについては理解を深めるために以前調べたので、そちらも参照してみてください。

ざっくりとした理解では、今回のニュースでは、代執行となっていますが、所有者も特定できた上でコミュニケーションしたけど応じてもらえなかったということになります。

略式代執行や代執行の措置はまだまだ行われるのがレアケース

ニュースとなっていることからも毎日のように起きている話ではありません。上の代執行と略式代執行はダブっている自治体があるかもしれませんが、仮に70-100と考えると、全自治体の1,741市区町村の1割にもいきません。

これでは分かりづらいですが、助言・指導等から始まる対応入り口件数が、約493の自治体であることから、ここから考えると最終的に代執行等された「自治体」は2割程度です。措置件数ベースのほうが感覚に近いですが、約13,000件あって、120件なので、割合的には「措置件数」でいえば1%程度です。

この1%という数字は空き家数における特定空き家の率に近いというあくまで感覚ですが、ざっくりいえば、空き家→特定空き家は1%程度→さらに代執行等で強制撤去されるのが1%となり、1万分の1という感覚です。なのですが、この影響力が大きいのが問題なんですね。

ニュースでは撤去費用を公売等で土地売買から捻出されるとありますが、結局撤去費用が回収できないと税金から補ったことになります。この事例が多数出てくるとまずいということですね。

ちなみにレアケースだからといって放置してはいいわけでははないです。またむやみに撤去すると、フリーライドされるのでそこが特措法が出来て動けるようになったけど、葛藤というところなんですよね。

撤去にかかった費用を回収出来るのか?

代執行や略式代執行で解体費用等がかかるわけですが、ではこれらの費用回収はどうなっているか気になりませんか?

最後にこれらを調べて終わりたいと思います。

今年2019年の1月に総務省がまとめたデータが参考になりそうです。

空き家対策に関する実態調査<結果に基づく通知>

こちらのデータを見ていきましょう。

空き家対策に関する実態調査結果報告書-各論3において、P.57に費用回収の状況が書かれています。どのステータスが回収済みとするか次第なので、回収出来たものだけとしましょう。

空き家対策に関する実態調査結果報告書-各論3 P.57より
総務省サイトより  http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/hyouka_190122.html

すると、行政代執行10件のうち1件のみが、略式代執行も38件のうち4件のみが回収できたとなっています。行政代執行では1割、略式代執行でも1割です。

他のステータスでは一部回収が最大なのに、一部は回収できる=一部しか回収できなかったため、他は税金で補う形になりそうです。また文字通り全額自治体負担というのも略式代執行では38件の中で13件ということで、3割り程度は既に税金負担という実績があります。

この時点では約48件でしたが、そもそも最新のデータでは、代執行と略式代執行あわせて100件くらいでしたから、これは措置実施してから1年など経過があったものを対象としているか回収状況等が進んだものとしているのかなと考えられます。

自治体が回収率を上げられるかという観点もありますが、ポジティブに費用回収がどんどん出来るようになるとは考えづらいのでここがやはり課題となります。

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