自治体の特定空き家の対応費用が増える中で何をすればいいか

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特定空き家等の自治体負担が多くなっているというNHKの記事がありました。そこから考えられることを少し考えてみました。結論は考えていくしかないというなんともな話ですが、実際はどう課題と向き合い断ち切れるか、粘りや胆力が求められそうです。

平成30年度(昨年度)の解体数は67件

ここでいう特定空き家の対策費用は主に解体など除去費用です。それ以外にも調査費用であったり、実際には職員が兼務しているということからその人件費などもあるはずですし、表立って計上できないものもあるはずです。

「危険な空き家」自治体の撤去費用 3年間で17倍に

こちらのNHKの記事では、年々対策費用が増して撤去費用が17倍になったということです。これは当初2200万円だったものが、3億8000万円となったことが3年間で17倍と表現されています。

ここで書かれているNHKの調査は自治体に聞いていったものとか独自のものなのでしょうが、公開されているデータからも昨年度(平成30年度)は67件の撤去があったことが分かります。(国交省の空家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況等についてで、平成30年度の行政代執行件数は18件、略式代執行は49件となり、合計67件です)同資料P.11には都道府県単位の内訳もあります。

3億8000万円に対して67件となると、1件あたり約570万円となりそこそこの金額がかかっていることが分かります。木造で壊しやすいものはもっと解体費は減りそうですが、道幅が狭く重機が使えないなど手作業になったりすれば費用が高くなるのでしょう。

特定空き家が増え、対応費用が増えるのも予想できる

これらはわりと予測出来ることだったのでしょう。実際に記事にももぐらたたき的という表現がありますが、そのとおりで、問題が可視化されてどうしようもない(所有者も分からない)ケースでないとやらないのが行政の対応です。これは批判しづらいでしょう。むしろ逆に「所有者になんとかしてほしい」のが行政側の感覚です。

当然、社会的な問題となっているので、所有者、近隣住民、市民、行政等がそれぞれの立場は違うことを踏まえつつもどうしていくかを話していかないと終わりはないとも言えそうです。そこまで腹を括れるかというと括れなかったり、問題として捉えきれない、出来るなら見たくない、なかったことにしたいというのが普通かもしれません。

特定空き家の対策が進み、所有者の意識が変わり、行政の対応費用(解体費用等)が減るかというと、これはかなり怪しいでしょう。そもそも現時点では出てきたものを潰しているのであって、予備軍は多数控えており、しかもそれらは地域特有でなく、社会全体、つまり全自治体、全ての箇所であるからです。自治体によって少ない、多いというのも比較もあまり意味がありません。例えば多い自治体は対応を積極的にしているともいえるし、少ない自治体は叩きたくないがしぶしぶやっているかもしれないからです。これはもはや自治体ごとによって大きく変わるのでしょう。

対応が出来ないストレスフルな中でどう動くか

どうにかしたいと思ってもどうしようもできないのは非常にストレスフルです。所有者もですが、近隣住民もですし、そこに住む住民の税金を使うことになり、かつ行政もそれをやりたいわけではないからです。

対応策は税制優遇であったり、賞罰的なものなのか、あまり選択肢がありません。所有者の感情に寄り添ったサポートが効果を発するならそういうソフト面に力を入れるべきとなります。そのあたりは、空き家特措法が制定され結構進んだと思っているのですが、なかなか制度や仕組みまで落とし込めてないのでしょう。

構造的に費用を負担していくことで結果的に損したり、使わなくても良いお金を使うことになるのは所有者よりも、自治体に住む他の住民です。もちろん関心や問題意識があっても一人の力やアイデアや意見だけで何か動くわけでもないのが現実です。とはいえ放置しておいても解決される話ではない。

もうどうしようもないところまで来ているとは思わないものの、事態は一刻も争うのかもしれません。

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