金沢市市街化調整区域の開発基準の骨子案を見てみる

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中日新聞で石川県金沢市の市街化調整区域での開発許可制度一部改正の話が報道されていました。【石川】郊外の空き家 賃貸や飲食店OK 金沢市がソースです。興味深かったのでもう少し調べてみました。

金沢市の市街化区域と市街化調整区域

自治体は適当にまちづくりをしているわけでなく、都市計画法に基づいて、またはまちづくり計画を策定して運用しています。

その中に市街化区域と市街化調整区域という見慣れないと違いが分かりづらいですが、要するに開発して街にしていくところと制限していくところということです。調整という言葉が分かりづらいですよね。

金沢市のサイトの説明を引用してみましょう。

無秩序な市街化を防止し、効率的な公共投資を行い農業との土地利用の調和を図るため、都市計画区域に市街化区域と市街化調整区域に区分(いわゆる「線引き」)しています。

市街化区域は、既に市街化が形成されている区域、及び10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域であり、用途地域等の地域地区を指定できるほか、道路・公園・下水道等の都市施設や、区画整理事業・市街地再開発事業等の市街地の開発などを行い、計画的なまちづくりを行います。

また、市街化調整区域は市街化を抑制する区域であり、原則として用途地域を定めず、一部を除いて新たな開発は禁止され、市街化を促進する都市施設の整備も原則行わないことになります。

金沢市「市街化区域・市街化調整区域」より

無秩序な市街化というのは、結局は街自体が公共投資をするとき、例えば水道などを引くときに効率性が悪ければ採算性も悪いわけで、そのあたりを考えた投資をすることになります。ですから、市街化をどんどんしていけばいいという時代では当然ながらありません。人口が増えという前提であれば住む場所も必要でとなるのですがそうではないのが現実です。

市街化調整区域は一部除いて開発はなく、都市施設の整備も原則なしとあります。農業との調和とありますが、実際に土地がなければ農業ができないためという点は強いわけですね。

記事にもありますが、都市計画区域として24,987haを定めていて、市街化区域は10,065haで40.3%、市街化調整区域は14,922haで59.7%となっています。文字通り6割が市街化調整区域となっています。

市街化調整区域で開発出来ることで空き家対策となるか

今回の改正案は、この6割にあたる市街化調整区域で条件は限られるものの、空き家が対象となります。つまり、空き家をリフォームして賃貸住宅とできるという話です。決定でなく案が開示されいててパブリックコメントとして市民の意見を募集しています。あとで整理しますが、賃貸住宅=集合住宅等のマンションでなく、戸建てです。

想像に過ぎませんが、空き家が市街化区域になく、市街化調整区域にあって活用出来ないというケースがあって、その場合移住希望者に住む家を提供出来ないということが一定程度あったのでしょう。そうなると移住定住ができないため、誰も来なくなります。

一方でこの対策をすることでよくなるかはまた別問題です。制度があるからこそ使えるのは分かるので、うまく使えるといいですよね。行政的にはそこまでしか出来ないというのもあるんですけどね。

意見公募案件を見てみる

実際にこの記事を読んで、「市民の意見を募る」からパブリックコメントがあると判断して調べるのは難易度が高いようにも思いました。市民ですら知らないのかもしれないし、空き家活用という観点がなければ絶望的かもしれません。ここでの市民とは金沢市民のことです。

金沢市サイトで、パブリックコメントで検索してヒットしました。こちらが今回の意見公募案件でしょう。

田園地域・中山間地域における金沢市開発審査会附議基準の改正骨子(案)について

関連資料として、田園地域・中山間地域における金沢市開発審査会附議基準の改正骨子(案)についてというのがあります。改正骨子案を見て市民の意見をくださいということですね。改正概要は2つあります。

1つは、築10年以上、一戸建て専用住宅ということですね。リフォームは出来るけれど、建て替えとか増改築はNGとあります。くどいですが案なので決定ではありません。

つまり、市街化調整区域にある一戸建て専用住宅が空き家になっていて、それを賃貸住宅にリフォームして移住者等に貸すことを想定しているわけです。これらの想定がないとあまり分からないですよね。

2つ目は、飲食店への用途変更です。兼用として売店や加工処理室、飲食店従事者が居住するのもありということです。これも築10年以上の建物や敷地とあります。

面白いのはこの飲食店では、立地する田園地域や中山間地域で生産・採取された農林水産物を利用というのが条件となっています。要は地域のものを活用してねということです。これがまちおこしにつながります。例えば石川県の地域資源一覧というのがあり、農林水産物が103件あります。これに限定されないのでしょうが目安となります。例えば山林があれば、かが杉のような木です。水産も魚や貝があったり、あとはいもやしいたけなどもあります。調味料など加工食品もいいわけですが、地域資源を使うということで、これは適切な気がしますね。これらを市民がどう判断するかですが、移住定住者がお店をやるときに、地域資源をよそ者視点で活用するということは大いにあるのでいい感じはしました。

パブリックコメント自体は2/19までとなっています。

このような取り組み自体が今後は増えてくるかもしれませんね。

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