空き家調査員を養成し空き家問題を解決する取り組み

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空き家調査員という人材を育成し空き家問題を解決するという取り組みを見かけました。今回はその空き家調査員について調べてみました。

不動産業者は価格が低ければ扱わない

不動産業者は手数料ビジネスとなるため、仲介手数料がその建物や土地などの不動産価格によって決まります。

実務経験が私にあるわけではないですが、新築できれいな家を仲介するのと、空き家でボロボロのものを仲介する場合で、労力がほぼ一緒かむしろ新築のほうが楽なら、仕事として新築等高額物件を扱ったほうが効率的だと感じます。

もちろんこれは経済合理性の話なので、再建築不可物件を果敢にチャレンジしたり、リライトさんのようなボランティアプロジェクトをやっている方もいますが、レアケースと考えていいでしょう。

そのため、価格が低くなりがちな田舎や郊外などでは不動産業者がそもそもそういった低廉空き家を扱わないため、売買されないという事情は根強くあると考えられます。

低廉空き家の報酬額をあげるという法改正もされたわけですが、それで劇的に増えることはないのかなと捉えています。

そういう背景を踏まえると、今回の空き家調査員はぐっと踏み込んでいる印象です。

空き家調査員は地域の人でエコシステムを作る

埼玉)空き家活用へ調査員養成 毛呂山で研修の記事が詳しいです。日経の空き家対策 担い手に新顔 自治体以外にも裾野拡大にも少し書かれています。

こちらの記事によれば、空き家調査員とは、

  • 空き家所有者の相談に乗る
  • 空き家自体を調査できるスキルがある

ということになります。何かしら資格というものではなく、便宜的な名称と考えていいかと思います。もちろん講習会や指導を受講した人を称するわけですが。

これらは地域の人が担うことで、不動産業者がビジネスとしてはやらない、できない空き家について調査して、つないでいくことが可能となるかもしれません。

この仕組みは面白く、うまくいけば敬遠していた不動産業者もそこまでやってくれるなら手間もかからないし、むしろ物件の魅力や良さがわかるので扱ってもいいと。敬遠ではなくなるかもしれませんよね。

現状は、国交省の「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」のモデル事業として採択されており、概要としては、

一元的な相談窓口による空き家所有者の意思決定に寄与する仕組みづくりを支援する。相談対応フローや利活用提案の実践、空き家分類手法の検討等を行い、空き家相談の質の向上を図る。

(平成30年度空き家対策の担い手強化・連携モデル事業
【部門1-ⅰ 人材育成と相談体制の整備部門・スタートアップ支援】の採択団体資料から引用)

となっています。ここでの着地点は「空き家相談の質の向上」となっていて、おそらく行政窓口などでは対応しきれないなど現場での課題もあるのかもしれません。

今までにないのはより現場で使える知識やスキルの伝授

今までの国交省の先駆的プロジェクトはどちらかといえば、取り組みとしてまずはやってみるということが重視されていた気がします。実務的な課題であったり、啓発や説明会や講演をやる、調査をする、レポートを作る、マニュアルづくりをするなどがわりと多かった印象です。

今回の国の空き家対策プロジェクトでは、人材育成や相談体制などにも力を入れていくということが伺えます。

毛呂山町の取り組みは、市民や地域の人がプロから学び、最低限の空き家物件診断や調査ができることで、相談窓口や相談の精度が上がることが期待できます。

プロジェクトの性質上うまくいくと全国に展開され、毛呂山モデルなどといった形で周知され、同様の中山間地域などでは使える手段になるかもしれませんね。

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