平成30年度地域の空き家・空き地等の利活用等に関するモデル事業をざっと見てみた

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国交省の取り組みとして、地域の空き家・空き地等の利活用等に関するモデル事業があります。平成30年度の取り組み成果が公開されています。これについて今回は見ていきます。

モデル事業概要サイト

珍しく特設サイトがありました。実際に国交省サイトにあっても見られないし見づらいというのもあるかもしれません。

国交省の空き家・空き地等の流通の活性化の推進(国交省サイト)

地域の空き家・空き地等の利活用等に関するモデル事業(平成30年度54団体採択事例の紹介)

採択団体ページを見ると、エリアごとに表でまとめられています。詳細欄はPDF直張りですが、1枚のパワポPDFでまとめられています。ただ詳細というほど詳しいというよりも、概要という印象です。空き家の先駆的モデル事業では詳細レポートがあったと思うのですが、この取組にはないのかもしれませんね。

以下、気になったものをピックアップしてみました。

空き家人材育成系

株式会社エンジョイワークスの空き家再生プロデューサー育成プログラム

空き家再生プロデューサー育成プログラム(取り組みPDF)

この切り口は民間らしいと感じます。国や行政ではこういった取り組みはまずできないからですね。

この取組では、空き家再生プロデューサーというものを定義しています。簡単にいえば、空き家再生を地域の資源を活かして行う人と言えそうです。

期間1ヶ月のプログラムが開発されており、第一期は3月に、第二期は6月となっています。単に座学で研修して出来るわけがないので、受講者がマイプロジェクトとして目標を設定し、その実現のために空き家、地域資源、知識や活動を生かしていくという形の実践型モデルとなりそうです。

空き家マイスター育成

「空き家マイスター」を中心とした空き家相談・流通・人材育成事業(取り組みPDF)

愛知県の取り組みということで、先回紹介している気がしますが、こちらも採択事例となっていました。人材育成という部分では、講座等の開催や登録などその受講者数が成果のようです。

こちらは宅建業界というところで、価値としては不動産仲介業者の空き家バンク活用や空き家活用の知識アップというところかなと言えそうです。(協会側が公式化することも大きそうですしね)

NPO法人頴娃おこそ会の取り組み

ソーシャルビジネスとしての地方での借主改修型賃貸住宅の普及促進と実践者の育成(取り組みPDF)

まちづくり空き家再生コーディネーター養成講座の開催がユニークです。3日間の合宿形式と考えられます。

報告書では、さらに人材育成を継続していくことを検討ということで、こういった地道な取り組みは素晴らしいですね。

空き家マッチング系

ウエスト東京空き家ラボのマッチングサイト開発

ウエスト東京空き家ラボ(取り組みPDF)

一言でいえば、空き家マッチングサイトの開催とイベント開催です。現状空き家マッチングサイトを見る限り、報告書にあるようにマッチングができるかは疑問なところですね。

アキヤラボが目指すのは、感覚的に上で紹介した空き家再生プロデューサーに近いと思っていて、育成プログラムで解決というアイデアでなく、地域の資源や人材や課題を地域で解決するというローカルより、地域よりのアプローチだと考えられます。

直近の活動報告では、「アキヤ」という不動産としての空き家というよりも、利用したい人の時間や目的で利活用出来る空間をアキヤとしていることが特徴的です。

小さいニーズがぐるぐると地域で回りだすととても面白そうですね。ポテンシャルが感じられました。

空き家リサーチ系

日本空き家活用プロジェクトの取り組み

日本空き家活用プロジェクト(取り組みPDF)

空き家活用株式会社を中心とした取り組みです。空き家活用データシステムAKIDASは法人向けサービスですがこういった取り組みがありつつ、空き家所有者にどういうモデルや活用方法があるかを検証した取り組みと言えそうです。

興味深いのは、セミナー集客の非効率な点です。直にあってお話するのは信頼を育みには有効ですが、とはいっても集客するためのコストやセミナー開催の手間などでビジネス的にペイするかどうかです。ペイできるビジネスは単価が高くなければ成り立ちづらく、そうなると空き家仲介では厳しく、売買か、それも一定の金額でないと厳しそうです。

取り組み事業者にNPO法人があるためか、シングルマザー向けというソーシャルな取り組みも検討されている点も注目ですね。

成果発表会モデル事業者団体の取り組みを見てみる

成果発表会ではモデル事業者が取り上げられて紹介されていました。こちらも興味深いので見ていきましょう。

NPO法人ふるさと福井サポートセンター

空き家マッチングを手がける中で、今回はとくにオーナー自らが解決出来るということを狙い、空き家の売買見積もりが出来るソフトの開発という内容でした。

ポイントは単なるシミュレーションソフトでなく、オーナー自身が自分で考える材料として手を動かして考えることをサポートし、早期決断になっていることでしょう。数値は説得力があり、かつその数値は専門家の知見で算出されていて興味深いところですね。

所有者とのコミュニケーションを重視していてそのあたりがソフトやデジタルでうまく補完され、アナログとデジタルの両輪である印象を受けました。

この取組が広がっていくといいですね。

住民参加型空き家魅力UP協議会

空き家改修を低コスト実施できないかの検証であったり、オンライン内見などの技術を使ったりという試みです。鯖江市というエリアで LIFULL社や地域団体が協議会を作って運営したという形です。

印象としては、仕組み構築というよりも、鯖江市での実証実験的がまず出来たということで、次の取組が気になるかなというところです。例えばどう活かすかというところですね。

空き家再生プロデューサー育成プログラム

先程紹介した取組ですがより詳細が書かれていて面白いですね。

プログラム自体は1名のみ実施ということになってますが、メディア掲載などからすでに次期開催には多数の申し込みがあったというのが興味深いところです。

課題で最も興味深いのは、あくまでこの事業は単体の空き家再生活用としてカフェとかゲストハウスとかをやりたい人でないということです。

もちろんそれをしてもいいのでしょうが、空き家再生プロジェクトとして地域のサポートをする立場で文字通りプロデューサー的な事業や取組をしていくことを狙っています。これは確かに分かりづらいのですが、一方で空き家問題を解決するにはすでに「地域連携」「地域コーディネーター」等つなぐ人が価値となっていることは明確です。

今後注目のプロジェクトだと思います。

以上、モデル事業の取組を見てきました。空き家プロジェクトのきっかけになれば幸いです。

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