
SMOUTという移住スカウトサービスを知りました。今回はこのSMOUTの特徴を考えてみたいと思います。
SMOUTとは
SMOUTは、移住定住したい人と、移住先地域(自治体)をマッチングするサービスです。特徴は、地域側から声がかかる(スカウト)ことです。移住したい側は地域を登録しておいて、待つという形です。
求人サービスなどでも、求職者が企業に面接を申し込むのでなく、求職者は興味がある企業を登録するとそれら企業側がオファーするものもあるので、移住定住における逆求人モデルと言えます。
スカウトしている地域
スカウトしている地域では、約70ほどの地域がスカウトをしています。
直観的には、この70という地域はかなり熱心な自治体(移住・定住について)だと考えられます。もちろん今後増えていくと考えられます。
一つの根拠として、JOINがまとめた移住っていいことあるんだ!!知らないと損する全国自治体支援制度<2017年度版>において移住体験があるのが431件です。移住体験について一定の支援がある=受け入れ体制が一定程度あると考えられるわけです。
また、自治体で何件も制度があるので、重複分を外すと、おおよそ制度がある自治体は半分になりました。つまり200自治体ちょっとが、一応スカウトしてくる地域の最大ではないかなと推測しています。
ネット関係人口
SMOUTネット関係人口スコアというのがあり、これによって関わる人が多い地域を数値化しています。この計算方式などはおそらく指標に一定の数値を重み付けのようにして出していると考えられます。
関係人口自体は知らない言葉だったのですが、総務省が関係人口というサイトを作っていました。一言で言えば定住人口という数値では測りきれないグラデーションのような関わりを表したと言えるでしょう。
このネット関係人口は、インターネット上での関わりというものを特に意識しているわけです。つまり、Facebookのいいね数、SNSのフォロワー数、インスタグラムでの市区町村名ハッシュタグの投稿数など、SNSでの活動が1つ。もう1つは、SMOUT上での興味あり、オンライン交流数、応援数などです。
もちろんこれらの可視化によって、活発なところにはより人が流れやすいということが期待できます。またフォロワー数などが絶対的に多くても、他の指標でスコアを上げられるかもしれないのでそこで注目度を増やすことができるかもしれません。
おわりに
自治体間での移住定住の受け入れバトルのようなものに見えつつあります。しかし、自治体を比較して優位な自治体(支援が潤沢)に行くという「合理性」だけで選ばれるとは思えません。
なぜなら、人によって何を重視するかは異なり、とくに住むということでいえばライフスタイル、人生、価値観によるからです。その地域と相性が合うかのほうが最も大事だと言えそうです。
そういう意味では関係人口も「地域」を知るきっかけに過ぎないといえます。興味を持ってもらうなら、色々なことを仕掛けるというやり方が今風なやり方かもしれません(目立てば何をしてもいいわけではありません。例えばふるさと納税で目立つなども見られますよね)。
とはいえ、地域の維持のために人は欠かせませんから、このさじ加減が求められるところですね。
ふるさと納税もそうですが、うまく仕組みによって今までの課題や人の流れがうまい具合に進むといいなあと感じました。