東京都「起業家による空き家活用モデル事業」を調べてみた

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

東京都が起業家による空き家活用モデル事業というものをやっていました。コーディネーターである不動産業者等よりも、起業家側に興味があったのでそちらを主に調べてみました。

起業家による空き家活用モデル事業とは

東京都の産業労働局が行っているモデル事業です。

起業家による空き家活用モデル事業

このモデル事業は、コーディネーター、起業家、空き家所有者という3者を意識しています。

コーディネータは不動産業者等で起業家が空き家事業プランを考えるときに相談を受け付ける役割です。ただし相談等を必ずしなければならないわけではないようです。

空き家所有者は起業家が事業で使う物件等を賃貸借契約します。

このモデル事業の期間は明記されてないと思いますが、コーディネーターへの補助は2019年3月末までで、起業家が考えた事業プランをどこまでやるかもおそらく様子を見つつなのかなと考えられます。

例えば、事業プランがうまくいくようであれば、来年度も実施するとかではないかと考えています。

空き家を利用した起業家のプラン

では、起業家がどんな事業プランを構築したか、採択されたビジネスを見ていきましょう。

内容はほぼ同一ですが、プレス資料もありました。

起業家による空き家活用モデル事業 空き家の新たな利活用を図る事業プランが決定しました!!

採択プランは2つあり、

  1. 親子Cafeゆくる 未就学の子連れ親子が気軽に訪れるカフェの運営(2018年10月22日開設)
  2. シェアハウス型の地域交流スペースの運営 2019年2月開設予定

となっています。

親子Cafeゆくる

起業家自身が乳児の子育てをしているという当事者であり、その視点が反映されたカフェと言えそうです。

中野3丁目子宝公園近くにキッズカフェ 起業家による空き家活用モデル事業

細かいですが、サイトも取材ページも「キッズカフェ ゆくる」となっていて、おそらく親子での来店がメインなので同一の意味合いとなりそうです。

キッズカフェゆくる(親子カフェ)の公式サイト

カフェの特徴

未就学児向けということもあり、各月齢に応じた「子供の遊び場」があり、子どもたちが飽きない仕掛けがあるようです。

カフェメニューでは、授乳中や妊娠中の母親のために、カフェインレスコーヒーも用意されています。

ターゲットが、親子同伴カフェというところで、上の取材記事にもあるように、「子供が安全に遊べる」という提供価値は「子供の遊び場」が、「ゆっくり親が食事ができる」という提供価値は「場所自体のコンセプトからお客さんも、店員さんも同じ仲間」というところで、満たされると言えそうです。

シンプルに子どもが騒いでも安心というのは他にはない価値となるわけですね。

ビジネスモデル

カフェという飲食業のモデルになると考えられます。単純に考えると、飲食の売上がどこまでいけるかということになりますが、市場調査などを行った結果いけるという判断だと考えられます。

営業時間が11時から17時で6時間。土曜定休です。月間あたりの稼働時間が、1ヶ月30日とすると、土曜日が4日とすると26日稼働です。また1日稼働時間が6時間なので、月間稼働時間は、6×26=156時間となります。

カフェやフードのメニューですが、ドリンク自体は500円前後のコーヒーや紅茶です。キッズドリンクは150円から300円です。またフードは、ホットサンド等が800円、生パスタがセットで1000円、ランチプレートが1000円から1800円、デザートがアイスが300円、ワッフルが600円となっています。一般的なカフェの価格帯かなという印象です。

キッズメニューはキッズプレートがドリンク別で500円となります。

ものすごく乱暴にいえば、親子2名一組が最低単位となるため、

  • ランチ時の1-2時間のランチニーズ(親ランチ1000円から1500円、子供1000円程度=2000円から2500円程度)
  • 14時すぎからのお茶タイム(親のカフェ+デザート等で1000円、子供のドリンク等で300円前後=1500円前後)

となり、12-14時の2時間らのランチ客、14-17時のティータイム客とざっくり分かれると想定されます。

席数が不明ですが、イベントの様子の写真からおそらく戸建ての1,2階だと想定し、1階部分で4卓、2階でも3,4卓でざっくり8卓と想定。ゆっくりできるのが売りなので、間取り=面積の割に席間はあり戸建てという感じがより面白い感じも受けます。

一組あたり平均1時間とするとフルで8卓として、1時間あたり、12-14時の2時間で一組2000円×8卓×2時間=32,000円。14-17時の3時間で、一組1500円×8卓×3時間=36,000円となり、1日あたり最大売上が68,000円。26日稼働とすると、約176万円となります。

コストは、フードやドリンクが売上の3割、人件費も売上の3割として6割。家賃等は15万程度として、水道代3万、通信費2万、販促費2万(広告費)という仮に設定してみます。

すると売上176万に対して、食材費等+人件費=約106万。他の費用は、22万となり、128万となります。176-128=48万の粗利となります。

実際はフル回転はまずないとして、平日の方が混むかもしれないという想定で、平日5日間は8割の稼働、日曜日は5割稼働とすると、1日あたり平日は20日あるので、68000円×0.8×20=約108万。日曜日は5割稼働なので、68000円×0.5×4=約13万円。月間約121万となり、食材+人件費=約72万、その他費用は22万となり、94まんとなり、粗利は27万まで下がります。

8割稼働は常に人が入れ替わり立ち替わりということなので、それが可能かどうか。または貸し切りイベント等で別の収益を得ていくことになります。

成功のポイントは当然ながら、ターゲットに存在を知らせリピートを獲得することですね。

シェアハウス型の地域交流スペースの運営

こちらについては開始が来年2月ということで情報はほとんどありませんでした。

NPO法人居場所コムが運営するということで、既存事業は、地域交流のこまじいのうち(学生からシニア向け)、こまぴよのおうち(子育て世帯向け)というスペースを運営されているようです。

そこからさらに発展してシェアハウス型として住居型で、地域交流も出来る場所を作られるのかなと想像しました。

今後期待されること

東京都の今回のモデル事業は、社会起業家が空き家をどう活用できるかがポイントとなりそうです。

行政ではやりづらいが、民間企業の利益追求でもなく、その間にある社会課題を解決しながら事業が継続するところを目指すと考えられます。

起業家は創業助成金が活用でき、または空き家活用をする大家側には固定資産税と都市計画税の税負担分が全額ではないですが補助するというインセンティブがあるようです。

また何か動きがあれば調べてみたいと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

RSSでもご購読できます。